NECが推進するDX「ブルーステラ」 シナリオを軸にした新たな価値創造戦略とは?:他社ブランドとの違いは?(2/2 ページ)
NECが新たなDXブランドとして打ち出している「ブルーステラ」。富士通や日立など他社ブランドとの違いは? NEC BluStellarビジネス開発統括部の岡田勲統括部長に聞いた。
富士通や日立 他社ブランドとの違いは?
――ブルーステラ同様、企業のDXを推進するビジネスについては、富士通や日立製作所などIT企業各社が取り組んでいます。それらと比較すると、ブルーステラの特徴は何だと言えそうでしょうか。
基本的な仕組みは各社同じだと思います。NECの特徴を挙げるならば、大きく2つ。1つは、技術的な特徴です。当社では生体認証やセキュリティにおける強い技術を持ち、この分野のオファリングを充実させられる強みがあります。もう1つは、長年にわたる社内外の実績と培われた知見やノウハウです。これらを型にしてオファリングやシナリオとして提供する。これこそがNECならではの特徴になると考えています。
――ブルーステラのシナリオの1つに「データ利活用によるデータドリブン経営の実現」というものがありますね。具体的に教えてください。
NECは、自社をゼロ番目のクライアントとする「クライアントゼロ」という考え方によって、社内DXを進めています。その考え方に基づく取り組みの1つとして「経営データのリアルタイムでの見える化」が挙げられます。
10年前には、四半期ごとに決算の数字を見ることによって、現状把握と判断をしていました。現在は1分1秒ではないものの、ほぼリアルタイムに状況把握が可能です。例えば「このオファリングの売れ行きはどうか」「シナリオの進捗はどうか」と可視化できています。
これにより、売り上げが伸びそうなオファリングや営業強化すべき業種などを見極め、戦略の立案もできます。2023年度と比べ、落ち込んだ領域の問題解決にも役立てられています。
経営層だけではなく、現場社員がデータで見られるようになったので、現場で分析し、すぐに動ける状態になったと実感しています。この自社のDXの成功体験も、シナリオとして顧客に提供しています。
――ブルーステラでは、いかにしてシナリオを立てられるかがカギとなりそうです。シナリオの特徴は「コンサルから始まるSI運用ビジネス」だと言えそうですが、現時点でこれを立案できる人材は何人くらいいるのでしょうか。
シナリオを作り、展開する人材はブルーステラ事業推進部門という組織に400人程度います。この組織は既に4月に発足され「戦略を立案する」「シナリオを策定する」「顧客にアプローチする」などの人材から構成されています。
――今後ブルーステラの人員をいかにして増やしていくイメージでしょうか。
シナリオを作れるのがブルーステラ事業推進部門だけだと、NECのビジネスとして伸びが止まってしまうと考えています。この型を作る活動を、エンタープライズBU(ビジネスユニット)、パブリックBUなどの各BUの営業・SEが普通にできるような文化を作っていきたいです。これもブルーステラ事業推進部門のもう1つのミッションと捉えています。
各BUでブルーステラを推進する活動はまだ道半ばです。最終的には全社員がシナリオを作れるようにしたいと考えています。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
NEC、社員2万人に顔認証の「デジタル社員証」導入 どんな変化が?
NECが社内の働き方DXを加速させている。5月にはDX事業の新ブランド「BluStellar」(ブルーステラ)を発表。自社をゼロ番目のクライアントとして、働き方に関するさまざまなDXを強化している。社員2万人に顔認証のデジタル社員証を導入した狙いと変化の中身は?
NEC、デジタル社員証で社員2万人を“顔パス化” CIOに聞く「組織をDX」させる狙い
NECが進める「デジタル社員証」などのDXには、どんな狙いがあるのか。DXを推進するNECコーポレートIT・デジタル部門長の小玉浩CIOに聞いた。
NEC森田社長に聞く「生成AIで優位に立てた」理由 NTTやソフトバンクとの協業は?
ECの森田隆之社長は12月12日、アイティメディアなどのグループインタビューに応じ、生成AIを開発する国内企業との協業について「競争するところと協調するところは常に意識しており、そういう(協業する)動きになると思っている」と説明した。
NEC責任者に聞く「生成AIの勝機」 マイクロソフトCEOとの会談で下した決断とは?
「生成AIをブームで終わらせたくない」と意気込むNECの吉崎敏文CDO(チーフ・デジタル・オフィサー)に開発方針などを聞いた。
NEC森田社長に聞く「新卒年収1000万円施策」の効果 魅力的な職場を作ることこそマネジャーの仕事
NECは顔認証に代表されるように世界でも有数の認証技術を持っている。加えて月や火星探査などの宇宙開発など夢のある技術開発に長年注力してきた。今後の展望を森田隆之社長に聞いた。
松尾豊東大教授が明かす 日本企業が「ChatGPTでDX」すべき理由
松尾豊東大教授が「生成AIの現状と活用可能性」「国内外の動きと日本のAI戦略」について講演した。
日立の責任者に聞く生成AIの“勢力予想図” 「来年、かなりの差がつく」
日立はどのように生成AIを利活用しようとしているのか。Generative AIセンターの吉田順センター長に話を聞いた。
