ChatGPTで画像生成、使い方のコツは？ 無料プランも1日2枚まで生成可能に：その悩み、生成AIが解決（1/2 ページ）

ChatGPTの画像生成機能が、無料ユーザーにも1日2枚の制限つきで開放された。この機会にビジネスで活用してみたいと考えている方のために、使い方やメリット、生成された画像の修正方法などを解説する。

[酒井麻里子，ITmedia]

連載：その悩み、生成AIが解決

アイデアが浮かばない、こんな無駄な作業なくしたい――。ビジネスパーソンを悩ませる日々のさまざまな困りごと、ChatGPTに聞いてみませんか？　ITジャーナリストの酒井麻里子氏がプロンプトの書き方を伝授する。

Q．資料で使う画像をフリー素材から探すのに手間取ります。ChatGPTを使って画像を手軽に入手する方法はありますか？

　これまで有料プランのユーザーだけに提供されていたChatGPTの画像生成機能が、無料ユーザーにも1日2枚の制限つきで開放された。Open AIの最新の画像生成モデル「DALL-E 3」が使われており、複雑なプロンプトを書くことなく、チャット上で指示するだけで手軽に画像生成を行えることがメリットだ。

　この機会にビジネスで活用してみたいと考えている方のために、使い方やメリット、生成された画像の修正方法などを解説する。

指示が大ざっぱでも画像を生成できるのが強み

　ChatGPTでの画像生成の方法は実にシンプルだ。チャット上で生成したい画像の内容を指示するだけでよい。画像生成に特化したGPTsも提供されているが、プロンプト内に「〜の画像を生成して」「〜の絵を描いて」のような画像生成の指示であることを明示する文言が含まれていれば、切り替えを行うことなく通常のチャット内で生成できる。

　どんな画像が作りたいかが具体的に決まっている場合は、画像のテイストや内容をできるだけ詳しく指示しよう。例えば、プレゼン資料で使うための写真のようなテイストの画像が欲しいなら、以下のようなプロンプトを書けばよい。

【プロンプト】

明るくきれいな都会のオフィスで、スーツを着た4人の若い日本人ビジネスパーソンの男女が丸テーブルを囲んでミーティングをしている写真を生成して。

　少し待つと、生成された画像がチャット上に表示される。画像の上にマウスポインターを乗せると右上に表示される矢印からダウンロードでき、商用利用することも可能だ。

チャット上で指示をすれば画像が生成される。右上の下向き矢印ボタンからダウンロードが可能だ

　ただし、このように細かいプロンプトを与えて画像を生成するのであれば、画像生成に特化した他のサービスでもあまり変わらない。ChatGPT内でDALL-E 3を使う大きなメリットは「ざっくりとした指示をするだけでも、ChatGPTが適切なプロンプトを考えてくれる」点にある。

　特にこれは、生成したい画像の内容が明確に決まっておらず、「なんとなくこんな感じ」という大まかなイメージだけを持っている場合に役立つ。例えば、イベントのちらしに掲載する挿絵が必要なら次のように指示してみよう。

【プロンプト】

社内交流会の案内ちらしに掲載する、楽しさを感じられる優しい雰囲気のイラストを生成して。

　このプロンプトでは画像の目的と雰囲気しか伝えていないが、人が集まって談話をしているシーンを描いたイラストが生成された。交流会のちらしに使っても違和感はないだろう。

画像の具体的な内容を指示していないにもかかわらず、交流会のちらしで使えそうな画像がしっかり生成された

　大ざっぱな指示だけでも画像がきちんと生成されるのは、ユーザーがChatGPT上で与えたプロンプトを元に、画像生成に適したプロンプトが自動生成される仕組みが裏側で動いているためだ。

　画像をクリックすると表示される詳細画面では、画像生成の段階で使われた英語のプロンプトを見ることができる。「社内の交流会」という使用目的や、「楽しい雰囲気」という指示をくみ取り、「カジュアルでフレンドリーな集まりを楽しむ多様な同僚のグループ」「全体的な雰囲気は、コミュニティ、包括性、喜びの感覚を伝える」「色は柔らかいパステル調」などの具体的な要素を含んだ長いプロンプトが作られていることが分かる。

画像生成に使われた英語のプロンプトも確認が可能。元の指示が具体的で詳細な内容に変換されている

　プロンプトの書き方が分からなくてもChatGPTがしっかり「通訳」してくれるのは、画像生成AIを使い慣れていないユーザーにとって大きなメリットだろう。