「SHIBUYA TSUTAYA」はどうなっているのか 生まれ変わって4カ月、見えてきたこと:世界中のIPとコラボ(4/5 ページ)
2024年4月にリニューアルオープンした「SHIBUYA TSUTAYA」。アニメやキャラクター、ブランドなどのIPコンテンツの聖地として、世界中のIPを体験できる施設に生まれ変わった。再出発から4カ月が経過し、どんな変化が起きているのか。
1日の平均来客数は4万人、収益構成も変化
リニューアルオープン当初、CCCでは1日の来館者数を3万人、収益構成を物販(仕掛け販売)で3割、プロモーション事業で4割、カフェ・ラウンジで3割を見込んでいた。オープンして4カ月が経過した今、想定との誤差が見えてきている。
「1日の来館者数は想定よりも多い約4万人です。訪日外国人の方は全来館者の4割ほどで、10〜60代以上まで幅広く来館されています。以前は訪日外国人がスターバックスに集中していましたが、リニューアル後はその他のフロアにも訪れてくれるようになりました」(鎌田氏)
展示やコラボレーションカフェも好調で、例えば、8月9日〜9月1日で開催中の「THE FIRST SLAM DUNK “COURT”」GALLERY&CAFEは、約8000席が発売から30分足らずで完売したほどの反響だった。
売上構成比率については、物販の比率が想定よりも高いという。
「実績の図で『オレンジ色』が追加されていますが、これは『プロモーションの一貫における物販』なんです。プロモーションイベントの際に宣伝素材を使用したオリジナルグッズを販売することがあり、その売り上げです。販促グッズを含めると物販の売上構成比率が想定より高くなっています」(鎌田氏)
以前は市場で流通しているパッケージ商品のみを扱っていたが、リニューアル後は、IP使用権の許諾を得て自社製作したオリジナルグッズも多く販売している。ここでしか買えない限定品は消費者の購入意欲を掻(か)き立て、購入したグッズをSNSに投稿する人も多い。
例えば、7月に実施したL'Arc-en-Ciel の特別展示では、複数あるグッズの中で会場限定商品のアクリルコースター(8種、各880円)が最も売れ行きがよかった。オリジナルグッズは小売りよりもリスクは高いが、そのぶん売れたときの利幅も大きく、収入増につながっているそうだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
レンタルビデオ→書籍→? 「SHIBUYA TSUTAYA」オープンのCCC、二度のピーク経て変化を続けるビジネスモデルに迫る
渋谷の店舗を刷新して「新しい文化の聖地」を目指すSHIBUYA TSUTAYAがオープンした。レンタルで一世を風靡してきたTSUTAYAは今、どのような成長戦略を描いているのか。2028年、街から書店が消える? “救世主”になるかもしれない「2つ」のビジネスモデル
書店業界が深刻な危機に直面している。全国の自治体の4分の1以上で書店がゼロとなり、2028年には街から書店が消えるという予測さえある。そんな中、新たな書店モデルが登場した。