楽天ブックス、総合エンタメメディア「推し楽」開設 推し活市場の拡大に対応
楽天グループが運営するオンライン書店「楽天ブックス」は、「推し」に関する情報を発信する総合エンタメメディア「推し楽」を開設した。
楽天グループが運営するオンライン書店「楽天ブックス」は、「推し」に関する情報を発信する総合エンタメメディア「推し楽」を開設した。「推し活するあなたを“推す”メディア」として音楽、本、アニメ、映画、ドラマなど幅広いジャンルの最新ニュースや話題のコンテンツに関するインタビューやコラムを発信。閲覧から購入まで一貫して実行できるUIを提供することで、ユーザーのエンゲージメントを強化する狙いだ。同メディアの沖見星羅編集長は「推しのあらゆる情報がまとめて閲覧できる総合エンタメメディアとして『推し楽』の開設に至った」と話す。
推し活市場は4500億円超 サイトの中身は?
メディア立ち上げの背景には、拡大を続ける推し活の市場がある。矢野経済研究所によると、推し活の主要ジャンルであるアニメとアイドルの市場規模の合計は約4500億円(2022年)。アニメの市場は約2850億円、アイドルは約1650億円に達しているという。
他にもK-POPや声優など、カテゴリーが複雑に成長しているため、実際にはさらに巨大な市場規模であることが考えられる。2020年以降、新型コロナウイルスの影響によってオフラインイベントが制限されていたものの、2023年に入って自粛が本格的に解除されたことで、推し活市場はさらなる成長を見込む。
そんな中「推し楽」は「推しに関する情報の流れが早すぎて追い切れない」「知りたい情報が埋もれて見つけづらい」などのユーザーの課題に対し、ニーズに応える機能を提供。推し活を「楽」にするという狙いがある。沖見編集長は「推し活をしているユーザーの中には、本当に知りたい情報が流れてしまって追いきれないといった状況があり、私自身も推し活をしている中で同様の課題を感じていた」と話す。
機能として、推しをフォローすることで最新情報を漏らさずチェックできる「推しタグ#」、疑似的に推しを応援できる「みんなの心の声など」を提供する。一部の記事で紹介されたCDやDVD、本などを記事内の商品ページから楽天ブックスでそのまま購入できるようにした。
初の連載企画として、16人組ダンス&ボーカルグループTHE RAMPAGEの各メンバーへのインタビューを実施。この企画はLDH JAPANと幻冬舎が連携し、メンバーをフィーチャーした書籍を12カ月連続で刊行するプロジェクト「GL-16 〜THE RAMPAGE BOOKS〜」を記念している。第1弾のインタビュー記事では、メンバーの藤原樹が「藤原樹マースフォトブックMars」について語り、第2弾では神谷健太と与那嶺瑠唯が「THE RAMPAGEうちなーぐちかるた」を紹介した。
「推し楽では今後、楽天グループが展開する多様なエンターテインメントサービスとのコラボレーションも計画しており、推し活に必要な情報の閲覧から購入までを一貫して行うことができるメディアを目指しています」(沖見編集長)
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