なぜ「魚肉ソーセージ」が人気に? 昭和のスター商品が再ブレークのワケ:スピン経済の歩き方(4/6 ページ)
魚肉ソーセージの販売個数が伸びている。かつて日本で大人気だった商品が、なぜこのタイミングで再び注目を集めているのか。マルハニチロの担当者に話を聞いた。
トクホを取得した魚肉ソーセージも
そんな「魚肉ソーセージの健康食品化」という現象の中でも、最先端を走っているともいうべきものが2024年2月にマルハニチロから登場した。特定保健用食品、いわゆるトクホを取得している「DHA入りリサーラソーセージω(オメガ)」である。
この商品、実は他の魚肉ソーセージはもちろん、他のトクホ商品とも一線を画すかなり異質な存在だ。それはパッケージに大きく掲げられたこの言葉を見れば分かっていただけるのではないか。
「日頃の運動とDHAおよびEPAを含む健康的な食事は、将来、心血管疾患になるリスクを低減する可能性があります」
カンのいい方はお気付きだろう。そう、この魚肉ソーセージの表示の中には「病名」が入っているのだ。これは「疾病リスク低減表示」と呼ばれるもので、これまでは、基準が設定されている骨粗しょう症のリスク低減(カルシウム)以外は認められることがなかった。
例えば、サントリーの特定保健用食品(トクホ)「特茶TOKUCHA」を見ていただきたい。こちらには「脂肪を減らす力を高め、体脂肪を減らすのを助ける」とある。コカ・コーラ社の「からだすこやか茶W+」も「脂肪の吸収を抑え糖の吸収を穏やかにする+内蔵脂肪を減らすのを助ける」といった感じで、消費者に対して、あくまで「健康を補助する」という印象を与えるにとどめている。
しかし、「DHA入りリサーラソーセージω」のパッケージには「心血管疾患」という病名が大きく表示されている。つまり、この魚肉ソーセージは日本で初めて個別審査型で「疾病リスク低減」という表示を国が認めたエポックメイキング的な健康食品なのだ。
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