なぜ「魚肉ソーセージ」が人気に? 昭和のスター商品が再ブレークのワケ:スピン経済の歩き方(5/6 ページ)
魚肉ソーセージの販売個数が伸びている。かつて日本で大人気だった商品が、なぜこのタイミングで再び注目を集めているのか。マルハニチロの担当者に話を聞いた。
なぜ病名表記が可能になったのか
なぜこんなことが可能になったのか。マルハニチロの福田副部長は、商品開発の経緯をこう述べる。
「もともと弊社には2005年に魚肉ソーセージで初めてトクホの認可を取得し、現在も発売中の『DHA入りリサーラソーセージ』という商品があります。この商品は、血液中の中性脂肪値を下げる効果が期待できるトクホです。その後、研究を重ね、DHAには脳卒中や心筋梗塞などの心血管疾患のリスクを低減させる可能性があることが分かり『DHA入りリサーラソーセージω』の発売につながったのです」
とはいえ、先ほども説明したように、日本の食品行政では「病名」をパッケージに表示することにはかなり慎重なはずだ。病気に何かしらの影響を及ぼすのは、食品ではなく「医薬品」だからだ。そんな高いハードルをクリアできたのは、意外にも医療側からの「理解」だったという。
「消費者委員会で審議をされる専門家の方々が、DHAが非常に健康に良いものだと認めてくれていることに加えて、心血管疾患の権威でもある医師の方々からも太鼓判を押してくれたことが大きいです。さらに、このようなエビデンスのしっかりとした健康的な食品をもっと開発してほしいというありがたい言葉をかけてくださる方もいます」
このような形で「不可能」だった疾病リスク低減トクホを世に送り出すことに成功したわけだが、マルハニチロがなぜそれを可能としたのかという疑問が浮かぶ。魚肉ソーセージの製造元は他にもあって、トクホを取得しているメーカーもある中で、ここに到達できた「勝因」は何か。
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