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小田急「ロマンスカー新型車両」が登場へ これまでの“常識”を飛び越えられるか:杉山淳一の「週刊鉄道経済」(1/5 ページ)
小田急電鉄が9月9日、新型ロマンスカー設計への着手を発表した。しかし報道向け資料に示された情報は少なく、実物写真や完成予想図もないため、鉄道ファンが予想合戦を繰り広げる事態となっている。そこで今回は「新しいロマンスカーが小田急電鉄にとってどんな役割を担うか」を考えてみたい。
2024年9月9日、小田急電鉄は新型ロマンスカーの設計に着手したと発表した。ただし報道向け資料に示された情報は少ない。
- 2028年度の運行開始を目指す
- 車両の内外装のデザインは、COA 一級建築士事務所が担当する
- 車両の設計は、日本車輌製造が担当する
- 新車両は、30000形ロマンスカー「EXE」の代替である(ただしリニューアル工事を実施した編成「EXEα」を除く)
- 新車両は、50000形ロマンスカー「VSE」の後継である
- 今後は随時、特設サイトでの情報発信を検討する
これだけだ。ニュースで伝えるには十分だ。しかし新型車両の公表は、実物写真や完成予想図の添付が通例だ。今回はそれがないから、新型車両のイメージはさっぱり分からない。鉄道ファンはこのニュースに沸き立ち、予想合戦を繰り広げている。これだけ話題になれば小田急のロマンスカーというブランドにとって大成功だ。
小田急電鉄の株価は9日から10日にかけて上昇したけれども、11日には戻った。出来高も小さい。資本家にとっては「鉄道事業者が古い車両を新しい車両に取り替える」という“当たり前”のニュースだ。乗客数が大幅に増えるという確証がない限り、その投資が適切か否かという判断しかない。もし報道資料の中に「訪日観光客拡大に対応するため」「当社のテリトリーである伊豆箱根地域の観光客誘致の核として」とあれば、もう少し値動きがあったかもしれない。
趣味的な意味での車両デザインはさておき、今回は「新しいロマンスカーが小田急電鉄にとってどんな役割を担うか」を考えてみたい。
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