プロダクトInsights
日々リリースされる新しい商品やサービス。その商品やサービスには、必ず企業側の思惑や狙い、生活者のニーズ、時代の空気感が反映されている。本シリーズでは、これらの「Insight」を考察していく。
キッチン雑貨や家電の企画・開発・販売を手掛けるラドンナ(東京都江東区)が、“デスクに置ける冷風扇”として「Toffy パーソナルクーラー」を4月に発売。ニッチな商品でありながら生産台数の80%が売れ、同社担当者も「意外な売れ行き」だと話す。開発時の狙いについてラドンナに聞いた。
Toffy パーソナルクーラーは、デスクにおける小型サイズの冷風扇。気化熱効果で冷気を発生させ「扇風機より冷たく、エアコンより優しい風」を送るとして、エアコンが苦手な人や、ペットがいる家庭をターゲットにしている。
エアコンの設定温度を高くしてもパーソナルスペースは快適な温度に保てるとして、節電ニーズがある人へも訴求している。寸法は199(幅)×175(高さ)×154(奥行き)ミリ、価格は8800円。
専用のフィルターをセットし、水を入れて使用する。風量設定は2段階設け、風向きはダイヤルで調節する仕様とした。水タンクの容量は800ミリリットル。
開発時にこだわった点は何か。担当者は「他社の冷風扇は真っ白なものや真っ黒なものなど、無機質に感じられるものが多かったため、かわいい見た目で卓上に置きたくなるようなデザインを目指した」と話す。また、なるべくタンク容量を大きくして、長時間使えるようにしたという。
後継モデルの開発については現時点では未定としているものの、開発となった場合は「フィルターの乾燥や水捨てなど、手入れに少し手間がかかるため、その部分の改良を目指す」(担当者)としている。
「Toffy」はラドンナが2016年に立ち上げた家電ブランドで、「ちょっぴりレトロで親しみのあるデザイン」を特徴としている。担当者によると、コロナ禍で在宅時間が長くなったことで家電のデザイン面にこだわる消費者が増加。こうした背景から売り上げを伸ばし、現在は同社全体の売り上げの約半分を占めるブランドに成長したという。
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