凍らせて→もみほぐして→熱中症を防ぐ 大正製薬「リポビタンアイススラリー」完売が続く:あの会社のこの商品(4/5 ページ)
大正製薬の「リポビタンアイススラリーSports」がここ数年、売れている。熱中症対策の商品になるが、どういった特徴があるのか。開発の背景などを担当者に聞いた。
アイススラリーに関する研究成果を発表
こうして「リポビタンアイススラリー」は完成し発売に至ったが、1年目の2021年は思ったように売れなかった。年間数十万個は売れると予測していたが、在庫で残った分と返品で戻ってきた分が生産数の半分近くを占めることに。
「まだアイススラリーの認知が低いため、小売店と商談をしても『何それ?』と反応され、なかなか店頭に並びませんでした。店頭に並ばなければお客さまが手に取る機会はなく、認知は拡大しませんでした」
こう振り返るのはマーケティング本部ブランドマネジメント1部飲料グループの樋口裕貴氏。メディアで取り上げてもらうべくアプローチしても、なじみが薄いので思ったように取り上げてもらえなかった。
2022年以降はアイススラリーの認知拡大に注力する。効果的だったのは、研究成果を積極的に発信したことだ。アイススラリーに関する研究成果をプレスリリースで発信し、メディアで広く取り上げてもらうことにつとめた。
大正製薬が2022年以降に発表したアイススラリーに関する研究成果のプレスリリースは5本。熱中症対策の話題を求めていたメディアが興味を持ち、取り上げてくれることが増えるようになった。
メディアで取り上げてもらうこと以外では、「Japanドラッグストアショー」や「SPORTEC(スポルテック)」といった展示会への出展、猛暑になった日は天気予報アプリに商品のバナー広告を掲出するといったことにも取り組んだ。
こうした取り組みが功を奏し、アイススラリーの認知度は徐々に広がった。2021年に比べて猛暑になったことが重なり、2022年は大きく販売を伸ばした。2023年は前年の2倍、2024年も前年の2倍生産したが、いずれもほぼ完売という状況だ。
2023年については、4月にりんご風味を追加したことも売り上げ拡大に貢献した。
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