富士通ゼネラル製「クーラー付きリュック」がヒット きっかけは会社まで徒歩20分、汗だく社員の悩みから:テストマーケティングから見るプロダクトの近未来(1/2 ページ)
空調機メーカーとして知られる富士通ゼネラルが、「クーラー付きリュック」を開発し、売れている。
「テストマーケティングから見るプロダクトの近未来
企業の新商品・サービスの挑戦を支援するプラットフォーム、Makuake。ここでは日夜、新たなコンセプトを持った商品が企画され、ユーザーの厳しい目にさらされている。多くの支持を集めた商品にはどのような特徴があるのか。本連載では既に終了したプロジェクトを振り返り、成功の要因からプロダクト開発の近未来を探る。
空調機メーカーとして知られる富士通ゼネラルが、「クーラー付きリュック」を開発し、売れている。Makuakeで50万円の目標金額に対して、500万円を超える応援購入があった。なぜリュックを作ることになり、そしてなぜ顧客に支持されたのだろうか。
駅から徒歩20分。通勤時に背中が汗だく……ある社員の悩み
観測史上最高の猛暑が続いた今年の夏。9月に入っていくらか涼しくなったものの、いまだ気温30度を超える日は珍しくない。外出すると汗ばむ時期は続きそうだ。こうした中、米Amazon.comが全社員に対して週5日出社を義務付けることを発表するなど、コロナ前の出社形態に戻す会社も増えている。
困るのは通勤や営業先訪問など移動の多いビジネスパーソンだ。リモートワークに慣れてしまった身体にムチ打って、猛暑のなかで徒歩移動をしたり、汗だくのまま満員電車に乗ったりしなければならない。
富士通ゼネラルはこの問題を解決する商品を発表した。それがクーラー搭載リュック「コンディショニングバックパック」だ。
リュックを開発した担当者は、普段から通勤カバンとして使用していたリュックに悩みを抱えていた。富士通ゼネラル本社オフィスは最寄り駅からオフィスまで徒歩で20分程度かかる距離に位置している。毎年夏になると移動に伴う暑さと、リュックに接している背中に汗をかく不快感に悩んでいたのだ。
会社に着いた時点で疲労感と不快感がたまるので、一日の仕事のパフォーマンスにも影響する。そんな中、新規事業創出に向けた事業アイデアの社内公募を見かけた。「自分が抱えている課題を自社の技術を使って解決できるのでは」という思いから開発したのがコンディショニングバックパックだ。
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