連載
「はやぶさ」「こまち」はなぜ連結して走るのか 欠点を上回る分割併合運転のメリット:杉山淳一の「週刊鉄道経済」(1/4 ページ)
9月19日、東北新幹線「はやぶさ6号」と秋田新幹線「こまち6号」が走行中に期せずして分離。幸いにも自動的にブレーキが作動して両方とも停車した。事故の原因は調査中。そもそもなぜ「はやぶさ」と「こまち」、「やまびこ」と「つばさ」は連結して走っているのか。連結して走る利点と欠点を見ていく。
東北新幹線「はやぶさ」と秋田新幹線「こまち」は、東京〜盛岡間で連結して走行する。同じく、東北新幹線「やまびこ」と山形新幹線「つばさ」も東京〜福島間で連結して走行する。合わせて17両の長い編成で、色の違う列車がつながっている姿はユニークだ。盛岡駅と福島駅で連結、分離する様子も興味深い。まるでロボットアニメの合体分離のようで、子どもたちだけではなく、大人も見入る場面である。
2024年9月19日、東北新幹線「はやぶさ6号」と秋田新幹線「こまち6号」が走行中に、期せずして分離した。本来は東京駅まで連結しているはずだった。幸いにも自動的にブレーキが作動して両方とも停車した。「こまち6号」の車掌が非常ブレーキを使ったとも報じられている。本来は連結したままの連結器が外れる異常事態だ。自動ブレーキが万が一作動しなければ追突の恐れもあった。ともあれ、乗員乗客が無事で良かった。事故の原因は調査中とのこと。
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