サイゼリヤの進化か、改悪か? メニュー削減と2000店舗拡大の裏にある戦略:スピン経済の歩き方(2/7 ページ)
「脱ファミレス戦略」を進めるサイゼリヤが、メニュー数を減らしている。中期目標で「国内2000店舗」を掲げているが、それは本当にサイゼリヤファンが求めていることなのだろうか。
サイゼリヤに「ガッカリ」するワケ
そう聞くと、「さすが庶民の味方、サイゼリヤ! メニューが減るのは残念だけど安さをキープしてくれるためだから応援します!」という熱狂的なサイゼリヤンの皆さんも多いだろうが、個人的にはどうもモヤモヤしてしまう。
果たして、これが本当に消費者のメリットにつながっているのかビミョーだからだ。もちろん、「安さ」をキープしてくれるのは財布的にはありがたい。一方で、メニューが3割も削減されれば、それはそれで消費者の「好きなメニューを食べる楽しみ」もガッツリ減ってしまう。
食事というのは、食べているときだけが楽しいわけではない。いろんな料理の並んだメニューを見ながら「あれもいいな」「これうまそうじゃない?」なんてやりとりも楽しいのであって、そこが「食」というエンターテインメントの大事な要素だ。
今回、サイゼリヤはそれを「効率化」「低価格路線維持」という名目でバッサリ切り捨ててしまった。ネットやSNSを見ても「ちょっと値上げをしても、それでも十分安いのだからメニューを減らさないでほしい」という意見がちょこちょこある。
確かに安いサイゼリヤでいろんなメニューをガッツリ食べたい人や、「サイゼリヤ飲み」でいろんなツマミをちょこちょこ楽しみたい人からすれば当然の要望だ。
つまり、今回の「安さをキープするためにメニューを減らします」という施策は、これまでサイゼリヤの成長を支えてきた熱心なファンを裏切っているとも言えるのではないかと思ってしまうのだ。
そういう疑念を強めているのが「2000店舗」とこれまでよりもさらに目標を大きく引き上げている点だ。
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