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日本で「面白いマンガ」が生まれ続けるのは、なぜ?『漫画ビジネス』(2/4 ページ)

海外に比べて「日本には面白い漫画がたくある」と言われていますが、なぜこうした現象が起きているのでしょうか。背景にあるのは……。

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新たな天才に影響を与える


漫画ビジネス』(著・菊池健/クロスメディア・パブリッシング)

 また、『ONE PIECE』の尾田栄一郎さんは、マンガを描くこととは、「自分のパンツを脱ぐ」ようなことだと述べたとも言われています。エッセイマンガ『ヒット作のツメアカください!』(天望良一/集英社)で取材された際に述べていました。

 これは90年代の一部ジャンプ志望者の間でよく言われていたことでもあるそうです。格好つけたり、恥ずかしがったりせず、他の人が見せないような自分の本当の性癖を描く必要があるということです。

 たくさんの人の手を介して、川を流れて角の取れた丸く整った石のようなものではなく、荒々しい原石のような、人のエゴがむき出しになった作品ほど、読み手を強くひきつける。そういう思想のもと、漫画家と編集者は、余人を交えず、とことんこだわりを詰め込んできました。

 マーケットイン型のほうが手堅くヒットを生み出す傾向にあるのですが、時代を変えるような前例のない作品はプロダクトアウト型から生まれます。さらにいえば、数多くいる漫画家のうち、天才が描いたプロダクトアウト型の作品こそ、メガヒットの原石なのです。

 なぜなら、天才の作品というのは、連続的に発展していく凡人の発想を飛び越えて、跳躍した発想のもと、新たな表現を生み出して後の世に続く新たな天才に影響を与え続けていくのです。

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