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「福岡の屋台DX」が好調 LINEや生成AIを導入して、どうなった?AIおいちゃんが登場(5/5 ページ)

福岡市が実施している「屋台DX」が好調だ。LINEヤフーコミュニケーションズと連携してLINEの公式アカウントを開設し、情報発信や生成AIを活用した検索を強化しているというが、どんな効果が出ているのか。福岡市役所の担当者に反響を聞いた。

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2カ月で友だちが7000人増加、反響は上々

 屋台DXが進化してから約2カ月が経過し、想定以上の反響が得られているという。

 「約2カ月でLINEの公式アカウントの友だちが約7000人増加し、2000人以上がAIおいちゃんの機能を利用しています。旅行者から最も多いリクエストはグルメ関連で、『ラーメンがおいしい屋台』は人気が高いですね。その他、『野球好きの店主がいる屋台』などの質問もあり、店主の特徴で選ぶ人も見られます」

 福岡市役所によれば、DXを含め屋台に関連した施策は概ね好調で、屋台の経済波及効果は2023年11月の調査で104.9億円にのぼる。前回調査した2011年12月の53.2億円と比較して約2倍に成長している。福岡市を訪れる宿泊客のうち、50.6%が屋台を利用しているそうだ。ちなみに、屋台の軒数自体は10年前と比較して約75%に減少している。


近年は個性的な屋台が増えており、外国人観光客からも人気が高い

利便性は高めつつ、昔ながらのアナログ感は残していくという

 屋台DXの展望としては、ひとまず現在の取り組みを2025年の3月まで継続予定だ。利用者に提供する屋台や店主の情報を随時アップデートし、AIにも定期的に学習させていくという。それ以降は、さらなる利便性の向上を狙ったアップデートを検討しつつ、屋台ならではのアナログ感は残していく方針だ。

 「現状のDXは十分な手応えを感じており、利用者だけでなく店主側からも『便利になった』と喜ばれています。一方でひたすら利便性の追求をしてしまうと、店主との対面コミュニケーションなど屋台ならではの良さが失われてしまうなと。昔ながらの価値は残しつつ、DXを進めていきたいですね」

 2017年からの公募により新たな屋台が参入し、バラエティーが豊かになり、DXによって利便性も高まっている福岡市の屋台街。長きにわたり築かれてきた屋台文化が、今後どう進化するのか要注目だ。

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