7割「人事評価に不満」 現場はどんな改善を求めている?
67.4%が会社からの人事評価に不満を持っていることが分かった。人事評価によっては、転職を考える層も一定存在した。具体的には、どのような不満を抱えているのか?
67.4%が会社からの人事評価に不満を持っていることが、人材紹介業を営むワークポート(東京都品川区)の調査から明らかになった(「とても不満がある」「やや不満がある」の合算)。
理由としては、「上司に気に入られた人が評価されるため」(40代・男性・営業)、「毎回同じ評価しかされず、何が良いか、悪いかも分からないため」(20代・女性・医療福祉介護)など、公平性や透明性の低さを原因とする意見が特に多く寄せられた。
また、「給与に反映されないため」(30代・男性・製造)といった処遇反映についての不満も多く挙げられた。
転職を検討する層も 現場が求める「改善」は?
会社からの人事評価は、言わずもがな仕事のモチベーションに影響を与える。74.6%が「人事評価によってモチベーションが下がった」(「とてもある」「どちらかといえばある」の合算)としている。
人事評価への不満は「静かな退職」の原因の一つとされており、実際に仕事のモチベーションを大きく左右することが分かった。
また、仕事のモチベーションだけでなく、離職につながっている実態もうかがえる。会社からの人事評価が原因で転職したことがあるか尋ねたところ、18.7%が転職を経験していたことが分かった。48.6%は「転職を検討した(検討中)」で、32.7%は「転職しなかった(検討もしなかった)」という結果に。
約7割に及ぶ大多数にとって人事評価は、転職のきっかけともなるほど働くうえで重要な要素であるといえる。
こうした現状を踏まえ、71.0%は会社の人事評価に対して「改善してほしいことがある」と回答しており、具体的には「評価基準を明確にしてほしい」(30代・男性・事務)とする意見が大多数を占めた。
その他「評価に対する根拠と詳しいフィードバックがほしい」(40代・男性・営業)、「成果を給与に反映してほしい」(40代・女性・コールセンター)など、公平性・透明性・納得性の向上を求める意見が寄せられた。
ワークポートは調査結果について「評価基準が曖昧(あいまい)で公平な評価を受けられない・がんばっても評価されない状況が社員のモチベーションの低下につながり、『静かな退職』の原因や転職のきっかけにもなっているようだ。企業は、従業員のエンゲージメントを高め組織として成長していくために、人事評価制度の公平性・透明性・納得性を高めていくことが不可欠といえそうだ」とコメントしている。
調査は、ワークポートを利用している全国の20〜40代のビジネスパーソンを対象にインターネットで実施した。期間は10月9〜16日、有効回答数は455人。
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