「G-SHOCK Tシャツ」3時間で完売 カシオ、”色落ちにタフな服”開発しました:週末に「へえ」な話(2/4 ページ)
カシオ計算機が「G-SHOCK」のTシャツを販売したところ、3時間で完売した。製品の世界観が詰まったTシャツというが、どのような特徴があるのか。プロジェクトメンバーに話を聞いたところ……。
タフネス+サステナブルの価値を提供
G-SHOCKの関連商品を調べてみると、これまでにもさまざまな商品が登場している。帽子もあれば、マグカップもあれば、靴下もあれば、Tシャツもある。今回のTシャツと何がどう違うのかというと、先ほども紹介したように「商品に開発思想」があるかどうかである。
これまでの商品はG-SHOCKのロゴなどをペタッと貼っただけのモノが多いが、今回のTシャツは開発思想が込められているので、商品から「強さ」や「頑丈」などが伝わってこなければいけない。こうした取り組みは、G-SHOCKが誕生してから初めてのことである。
そんなこんなで、プロジェクトがスタートしたわけだが、メンバーはどのような議論を重ねたのだろうか。「アプリのようなサービスはどうか。いや、食べ物や飲み物はどうか」といった話があったそうだ。さまざまなアイデアが出ては消えて、出ては消えてを繰り返す中で、なぜTシャツに決まったのか。
プロジェクトメンバーの1人が「アパレルの大量廃棄」に着目した。環境省のデータ(2022年)によると、1日に処分される衣類は1200トンにのぼる。毎日大量の衣類が捨てられるわけだが、「少しでも長く使えたら、それは環境に優しいモノになるのではないか」(プロジェクトメンバー)と考え、Tシャツを開発することに。
とはいえ、いきなり「色褪せに強い」Tシャツに決まったわけではない。G-SHOCKのコンセプトであるタフネスを考えると、「穴が開かない」「破れない」といったモノがいいのではないかといったアイデアが出てきて、実際に防弾チョッキで使われる素材でジャケットなどをつくってみた。しかし、これは失敗。「ゴワゴワして、日常で使えるモノではなかったですね」(同)とのこと。
このときに、気付いたことがある。時計と全く同じ価値を提供しても、お客に支持されないのではないか。考えを軌道修正することで、「色褪せに強いTシャツはどうか」という話になったという。であれば、長く使えるので、タフネス+サステナブルの価値を提供できるのではないかと考えたのだ。
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