インタビュー
「異業種×本屋」でどうなった? ホテルに「風呂屋書店」をオープンして、見えてきたこと(4/4 ページ)
札幌市のホテルに「風呂屋書店」がオープンして1カ月が経過した。書店が減少する中、“異色本屋”の現状を聞いた。
既存の書店モデルにこだわらない
DNPは、書店開業支援サービスについて2026年度までに累計売上高5億円を目指している。今後は、観光とオフィスという2つの領域での展開を強化する考えだ。「観光地の書店は地域の方にも、訪れる方にも新たな価値を提供できる。また、リモートワークからオフィスへの回帰が進む中、本を活用した社員同士の関係性向上にも可能性を感じている」(増井さん)
風呂屋書店を利用するのは、宿泊客が多いが、課題も見えている。季節に合わせたラインアップ、本にちなんだイベント企画を実施するなど、「宿泊施設の書店」という独自性を打ち出す必要がある。
「現状は初回納品分の書籍で運営している。今後は更新を進めながら、さまざまな企画を通じて価値を高めていきたい」と大島さんは語る。
書店のない自治体が増加する中、DNPは既存の書店モデルにこだわらない柔軟な展開を目指している。本と生活者が出会える場を作るため、従来の書店という形態にこだわらず、様々な事業者との連携を進めていく考えだ。
書店という業態は、これまでにない形で進化していくのかもしれない。
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