円安が誘う外資 試される日本企業の選択
ただし、三井物産のセブン&アイに対する株式保有比率は1.84%と小さく、株主としての直接的な影響力は限定的である。
株主関係という観点でみれば財閥系の色は薄く、伊藤忠商事の実質完全子会社であるファミリーマートや、三菱商事の子会社であるローソンと比べると、やはり「独立系」とみて差し支えないだろう。
伊藤忠商事がセブン&アイのMBOに関与できるのも、株主としての色が薄いことでセブン-イレブンの国際的な販路を活用したり、自社の販路を提供したいというシナジー効果を見込んでいるからではないだろうか。
急速に進行している円安相場によって、海外企業からみた日本企業が”お買い得”になっている。外資系企業による大手企業の買収検討はセブン&アイのみならず、今後増加する可能性もある。
11月20日のNHKニュースの報道によれば、創業家側は特別目的会社を設立し3メガバンクと米大手金融機関から8兆円超の資金調達に向けた交渉が進んでおり、早ければ年内にもTOBが実施されるという見方も出てきた。特別委員会の承認を得て、今年度中の買収完了を目指す方向で調整を進めているという。クシュタール側も「敵対的買収は検討していない」と表明した。
コンビニ業界の勢力図を塗り替える可能性を秘めた本件。引き続き注目したい。
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