セブン-イレブンと旧財閥系企業との関係
コンビニチェーン業界は、スーパー業界と同様、これまで旧財閥系企業とのむすびつきが強い業界である。「ローソンと三菱(商事)」「ファミリーマートと伊藤忠(商事)」の関係は有名で、セブン-イレブンだけが大手3社の中で「独立系」という見方もされてきた。
しかし、一部ではセブン-イレブンは「三井系」と言及されることもある。その理由は、三井物産との長年の関係に起因する。
米セブン-イレブンのフランチャイズ権を取得していたイトーヨーカ堂(現セブン&アイ・ホールディングス)が日本で事業を本格拡大した際、三井物産と資本・業務の両面で包括的な提携を行ったことが、今日のセブン-イレブンを作っているからだ。
2005年には三井物産がイトーヨーカ堂グループの株式を買い付けたことで、同年9月に設立されたセブン&アイ・ホールディングスの大株主に三井物産が名を連ねることとなった。
実際のところ三井物産や三井住友銀行は、セブン-イレブンの物流・金融網の構築を支え、成長に不可欠な存在となっている。
例えば、三井物産の物流や流通業界におけるノウハウ・販路・物流網がセブン-イレブンの効率的な商品供給体制や在庫管理の実現に貢献している。加えて、三井住友銀行はセブン-イレブンのメインバンクとして、財務面で強力なバックアップ役を果たしている。ちなみに、セブン銀行の筆頭株主も三井住友銀行である(投資信託の運用期間やグループ関係企業を除く)。
セブン-イレブンが海外市場、特にタイを中止としたアジア圏や北米でシェアを拡大する際も、三井物産の海外調達力や国際ネットワークが活用されたとみられる。
こうした資本や業務面での連携が、セブン-イレブンを「三井系」と位置付ける理由となっている。
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