場末のスナックはどうやって稼いでいるのか?:もうけのカラクリ(3/3 ページ)
集客や収益が安定したビジネスがしたい――そう考える人はスナック経営が参考になるかもしれない。
ストレスフリーの場が必要
お客さん側のニーズをもう少し深く掘り下げると、スナックはお客さんたちの「サードプレース」になっているといえます。サードプレースは、居心地がよく、ストレス、重圧、責任感などから解放される「第3の場所」を意味する言葉です。
第1の場所であるファーストプレースは家です。第2の場所であるセカンドプレースは職場や学校です。
多くの人は日常的にこの2カ所を行き来していますが、それだけでは息が詰まります。
サードプレースという概念を提唱したレイ・オルデンバーグという米国の社会学者によれば、現代社会においてはサードプレースを持つことが人生の満足度を高めることにつながります。
会社帰りにふらっと寄ることができ、財布に負担をかけずに息抜きできるスナックは、まさにサードプレースの条件を満たしている店といえるでしょう。
サードプレースのポイントは「ゆるくて良い」ことです。自宅や職場はきれいにしておきたいですが、サードプレースは雑多で構いません。
緊張感から解放されるという点では、むしろ雑多であることが大事です。多少、汚くても問題なく、狭くても構いません。美人ぞろいで料金が高いキャバクラは緊張感が生まれますが、スナックはリラックスして飲むことができます。
その点でもスナックはサードプレースにピッタリで、そのゆるい雰囲気がリピーターを引き付ける重要なポイントになっています。
タピオカ屋はどこへいったのか? 商売の始め方と儲け方がわかるビジネスのカラクリ
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