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新幹線が止まったらどうなる? JR東海の事故対応は「仮復旧」も重視杉山淳一の「週刊鉄道経済」(3/6 ページ)

JR東海が11月7日、東海道新幹線の総合事故対応訓練を報道公開した。会場は静岡県三島市の「三島車両所」で筆者にとっては初めての見学だったが、「いままでの事故復旧とは考え方が変わってきている」と感じた。今回は訓練の模様と、私が感じた復旧に対する変化をお伝えしたい。

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盛夏期に停電が発生した際の対向列車を用いた救援訓練

 複線の上下線に列車を並べ、乗降ドアの位置を合わせ、渡り板を設置して救援する。

 上下線のどちらか、あるいは列車側の故障により車両が停電した場合、空調など車内サービス設備のほとんどが使用不可能になる。駅から離れた中間地点では避難行動も難しく、車外に出ることも危険だ。酷暑になれば客室の温度が上昇し、乗客の体調悪化も懸念される。そこで、停電停車した列車の隣に救援用列車を並べて、乗客を脱出させる。

 訓練では記者たちも渡り板を行き来して脱出を体験した。渡り板は薄型の折りたたみ式ながら、大きくたわむことなく安心して渡れた。駅で車椅子利用者が使う渡り板に似ていて、今回の訓練でも車椅子利用者の訓練が行われた。

 訓練の待機から開始までに少し時間があった。救援側の列車にとっては、駅のような停止位置目標がないため、両列車のドア位置を合わせる作業に時間がかかったようだ。この作業のスピードアップが課題だと思う。また今回の体験者は、少人数で「もの分かりの良い人々」ばかりだった。実際に避難する事態になって、疲弊した乗客たちがドアに詰めかけたときの乗客整理も検討課題だと思われた。


隣の新幹線車両に乗り移る(筆者撮影)

もちろん車椅子にも対応する(筆者撮影)

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