インタビュー
「未来のレモンサワー」売れ続けるのは、なぜ? 成功のカギは3つの“流れ”にあった:全国展開の予定は(2/4 ページ)
本物のレモンスライスが入っていると話題の「未来のレモンサワー」。アサヒビールの担当者に、開発のきっかけや今後の展開を聞いた。
開発に3年半、大ヒット商品「生ジョッキ缶」の技術を応用
未来のレモンサワーの特徴は、缶の中に本物のレモンスライスが入っていること。フタを開けると、レモンの香りが広がり、スライスレモンがふんわりと浮かび上がる。味わいや香りに加え、視覚や食感も含めた五感で楽しめる新しいタイプのレモンサワーだ。
これまでアサヒビールには「果物などの固形物を入れたチューハイがほしい」といった声が届いており、ナタデココや果物を加工したつぶつぶを入れたものは手掛けたことがあった。だが、果物自体を入れたものは難易度が高く、発売には至っていなかった。
そんな中、2021年に「スーパードライ 生ジョッキ缶」(以下、生ジョッキ缶)が登場。フタがフルオープンで、開けると「もこもこ」と泡が出る、今までにない缶ビールとして大ヒット商品となった。
同社は「生ジョッキ缶の技術を応用したRTD(Ready To Drink:フタを開けてすぐにそのまま飲める飲料)で、居酒屋でグラスに果物を入れて提供されるような商品をつくれないか」と考えた。
通常の新商品は着想から1〜2年で発売に至るが、未来のレモンサワーについては想像以上に難航したこともあり、3年半の月日を要した。マーケティング本部と開発部が連携し、メンバー数は各部門のメイン担当だけでも80人以上。RTD開発史上、最大の人数が携わっている。
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