ラーメン店が回転率を犠牲にしてでも「麺の硬さ」を選ばせるワケ:もうけのカラクリ(1/3 ページ)
売値100円、利益50円の煮卵をトッピングしてもらうために時間をかけるよりも、回転率を上げて1人でも多くお客さんを入れた方が売り上げは増える。それでもカスタマイズに対応するのはなぜか。
この記事は、菅原由一氏の著書『タピオカ屋はどこへいったのか? 商売の始め方と儲け方がわかるビジネスのカラクリ』(KADOKAWA、2024年)に、編集を加えて転載したものです(無断転載禁止)。なお、文中の内容・肩書などは全て出版当時のものです。
多様性が重視される社会になりました。多様性は、簡単にいえば「みんな違って、みんな良い」ということです。個人の好みに合わせた商品やサービスの提供は、消費者の満足度を高める効果があります。
例えば、スターバックスはミルクの種類や量などを変えることによって自分好みの飲み物にカスタマイズすることができます。カレーチェーンのCoCo壱番屋は、ルーのからさを甘口から20辛まで選べます。ライスの量も変更でき、好きなトッピングもできます。
ラーメン屋も好みの具材をトッピングでき、油の量や麺の硬さを指定することができます。これらはいずれも多様性への対応です。このようなカスタマイズ対応は手間と時間がかかります。また、見返りとしての利益も決して大きくありません。
ラーメンを例にすると、売値100円、利益50円の煮卵をトッピングしてもらうために時間をかけるよりも、回転率を上げて1人でも多くお客さんを入れた方が売り上げは増えます。
著者プロフィール:菅原由一(すがわら・ゆういち)
SMG税理士事務所・代表税理士。現在は、東京・名古屋・大阪・三重に拠点を置き、中小企業の財務コンサルタントとして活躍。YouTubeチャンネル『脱・税理士スガワラくん』は登録者数80万人を突破し、TV、専門誌、新聞、各メディアで取り上げられ注目を集めている。
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