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JR西日本の技術を「お売りします」 展示会で見た、監視カメラやバーチャル駅杉山淳一の「週刊鉄道経済」(2/4 ページ)

JR西日本が12月5〜6日、JR西日本グループの総合展示会「2024 Innovation & Challenge Day」開催。技術革新と新たな挑戦を掲げ、鉄道会社の枠を越えてさまざまな社会課題を解決しようという試みだ。前編となる今回は、印象に残った展示を通してイノベーションのヒントをお届けする。

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JR西日本単独版「鉄道技術展」

 イベントは展示会場とセミナーに分かれていた。2年に1度、東京で開催される「鉄道技術展」(産経新聞社主催)のJR西日本グループ専門版といったところだ。

 今回の来場者は2日間で延べ5632人、これは前回の約1.3倍になる。来場者はJR西日本グループ社員のほか、幅広い業種の企業、自治体、個人事業主、学生など。公式Webサイトで告知したほか、取引先担当者や前回までの来場者を招待しているとのこと。企業にとって「自社に役立つ技術はあるか」、自治体にとって「JR西日本グループが沿線の発展に寄与するか」、学生にとっては「将来の進路の参考に」といったところだ。開発した商品やサービスの販売先は鉄道に限らない。

  • 「mitococa Edge」

 展示会場を俯瞰(ふかん)した中で最も印象的な技術は、「mitococa Edge」という監視カメラだ。人体検知機能をカメラの内部に格納し、PCに接続すればすぐに映像を表示できる。サーバーを介さずに監視環境を構築できるほか、ネットワーク経由でも作動する。

 JR西日本が踏切侵入監視や駅構内混雑監視を追求してつくられた技術だ。具体的には侵入検知、混雑度計測、滞在時間検知などに利用されるという。これを応用すると、例えば美術館なら、侵入検知機能は立ち入り禁止エリアの監視に利用できる。混雑度計測でイベント開催時の人流を検知して、入場制限に役立てる。トイレの混雑が片寄っていれば、空いているトイレに誘導できる。滞在検知機能は特定の人物が想定外に滞在したり、あるいは体調を崩して倒れた人といった異常を検知できる。


サーバーと組み合わせて人物に個別のIDを設定する「mitococa BASE」も実演されていた(筆者撮影)

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