三省堂が大真面目に作った「辞書LINEスタンプ」好調 「辞書なので、ネタは尽きない」(3/3 ページ)
「ウザいけどなんか好き」「控えめに言って良すぎ」とSNSで話題を集めた、三省堂のLINEスタンプ。2023年2月のリリースから、現在は8種類のLINEスタンプを展開している。LINEスタンプ誕生の経緯や今後の展望について、三省堂 営業企画課の保科潤氏に話を聞いた。
社内の別チームからアイデア提案も
三省堂辞書LINEスタンプシリーズの中で一番人気は、最初にリリースした「三省堂辞書スタンプ」だ。LINEスタンプには定額で対象のスタンプが使い放題という機能があるのだが、その対象に三省堂辞書スタンプが入ったことも、人気をさらに拡大させるきっかけとなったという。ちなみに、1月1日は「めでたい」「おめでとう」というスタンプの送信数が突出して多いそうだ。
二番人気は、相手の感情を逆なでするような煽り言葉と、謝罪関連の言葉をひとまとめにした「煽ってごめん編」。「お気遣い編」という品行方正タイプのスタンプと同時リリースしたところ、「煽ってごめん編」に人気が集中したという。保科氏は「LINEスタンプはフランクな間柄で冗談めかして使っていただくケースが多いからでは」と分析する。
また、スタンプ同士を組み合わせられる機能が搭載されたタイミングで、「は」「が」や、「ところで」「いずれにせよ」といった接続語だけを集めた「つながる言葉編」をリリースした。単体ではなかなか使いどころがない言葉だが、LINEの機能拡充のおかげで当初の想像以上にダウンロードされているという。
明解国語辞典の周年企画としてスタートしたLINEスタンプは現在、社内のプロジェクトにまで成長した。「書籍企画は難しいけれど、LINEスタンプなら」と、編集部以外の部署からも多くのアイデアを寄せられてるそうだ。実際に、SNSでスタンプにしたい言葉を募集した「SNS募集編」は、別チームからの提案で実現した。
今後のスタンプについては「辞書には膨大な言葉が掲載されていますので、ネタは尽きません」と保科氏。スタンプとして成立するかはこれから検討するそうだが、辞書にとどまらず、教科書のイラストや英単語帳から日常に使えるフレーズ、法律書から身近な条文など、LINEでのやりとりついでにちょっとした学習効果があるような新しいアイデアもあたためているという。
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