“USJ流”は通用しないし、やらない――ジャングリア沖縄、運営会社の挑戦(1/3 ページ)
世界自然遺産「やんばる」の大自然を舞台に、新テーマパーク「JUNGLIA OKINAWA」が誕生する。仕掛け人の一人、加藤健史CEOが描く未来とは。
沖縄県北部の世界自然遺産「やんばる」エリアに、大型テーマパーク「JUNGLIA OKINAWA」(ジャングリア沖縄)が7月25日、開業する。仕掛け人はユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)のV字回復を手掛けた森岡毅氏で、同氏が代表を務めるマーケティング会社刀(東京都港区)の子会社、ジャパンエンターテイメント(沖縄県名護市)が運営を担う。
経済効果は15年で約6兆8080億円、雇用創出は88万人超と試算される沖縄最大級の民間プロジェクトに懸ける思いとは。ジャパンエンターテイメント代表取締役CEOの加藤健史氏に聞いた。
自然とテクノロジーが融合する次世代型テーマパーク
敷地面積約60ヘクタールの広大な空間に、22種のアトラクション、15の飲食施設、10の物販施設が立ち並ぶというジャングリア沖縄。やんばるの豊かな自然を最大限に生かしながら、最新のテクノロジーを融合させた体験を提供する。
直径23メートルの気球から絶景を望む「HORIZON BALLOON」では、日本初のガス気球システムを採用。標高200メートルの上空からやんばるの森と海を一望できる。また、南国ジャングルの上空280メートルを滑空する「SKY PHOENIX」では、鳥のように大空を駆け抜ける爽快感を味わえる。
目玉となるのが総面積4.5ヘクタールに及ぶ「DINOSAUR SAFARI」だろう。巨大生物が施設から脱走したという設定のもと、専任ドライバーが運転する12人乗りの大型オフロード車で20頭の恐竜を追跡する。ビル7階建て相当となる高さ19メートルのブラキオサウルスに最短1メートルまで接近し、肉食恐竜T-REXから逃げ切るというストーリーが展開される。最新のアニマトロニクス技術により、まるで本物の恐竜が目の前で動き回っているかのような臨場感を実現するという。
世界最大級のインフィニティ風呂を備えた「SPA JUNGLIA」など、リラクゼーション施設も充実させる。関西大学宮本勝浩名誉教授らの試算では、初年度で約6582億円の経済効果と7万人の雇用創出が見込まれており、沖縄観光の新たな起爆剤として期待が高まっている。
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