DeepSeek-R1とOpneAI「o3-mini」を徹底比較 性能面から見た賢い使い方は？：その悩み、生成AIが解決（1/4 ページ）

DeepSeekをユーザー視点で性能面などに注目した場合、どの程度使えるサービスなのだろうか？　同社の推論モデルDeepSeek-R1と、OpneAIの最新の推論モデルo3-miniを比較し、使いどころを探ってみた。

[酒井麻里子，ITmedia]

ITmedia デジタル戦略EXPO 2025冬

ビジネスパーソンが“今”知りたいデジタル戦略の最前線を探求します。デジタル経営戦略やAI活用、業務効率化など、多岐にわたるビジネス課題を解決。

【注目の基調講演】生成AIを社員約1.8万人が利用、平均3.3時間を削減――パーソルHDの“AI推進大作戦”、その舞台裏

連載：その悩み、生成AIが解決

アイデアが浮かばない、こんな無駄な作業なくしたい――。ビジネスパーソンを悩ませる日々のさまざまな困りごと、ChatGPTに聞いてみませんか？　ITジャーナリストの酒井麻里子氏がプロンプトの書き方を伝授する。

Q．DeepSeekは無料で高性能なAIを利用できると話題ですが、リスクもあると聞きます。結局、使うメリットはあるのですか？

　この数週間、連日のようにニュースで耳にする中国発の生成AI「DeepSeek」。低コストでの開発を実現したとされて注目が高まり、その後、安全性を懸念する声が上がり物議を醸すなど、話題に事欠かない生成AIの新興勢力だ。

　ユーザー視点で性能面などに注目した場合、どの程度使えるサービスなのだろうか？　同社の推論モデルDeepSeek-R1と、OpneAIの最新の推論モデルo3-miniを比較し、使いどころを探ってみた。

（ゲッティイメージズ）

著者プロフィール：酒井麻里子（さかい・まりこ）

ITジャーナリスト／ライター。生成AIやXR、メタバースなどの新しいテクノロジーを中心に取材。その他、技術解説やスマホ・ガジェットなどのレビューも。著書に『趣味のChatGPT』（理工図書）、『先読み！IT×ビジネス講座ChatGPT』（共著・インプレス）など。Yahoo!ニュース公式コメンテーター。株式会社ウレルブン代表。XRと最新テクノロジーのWEBマガジン「TechComm-R」運営。

　Webサービスとして提供されているDeepSeekは、公式サイトでアカウント登録を行うと利用できるようになる。高性能な推論モデル「DeepSeek-R1」を利用する場合は、入力ボックスの「DeepThink（R1）」ボタンをオンにした状態でプロンプトを送信すればよい。DeepSeek-R1の実力を確認するため、いくつかのプロンプトでOpneAI o3-miniの出力結果と比較してみた。

DeepSeekのチャット画面。インターフェイスはChatGPTとよく似ている

キャッチコピーを考えさせて結果を比較

　まずは比較的シンプルな用途として、いくつかの背景条件を指定したうえでセミナー参加者募集のキャッチコピーを作成した。

【プロンプト】

任意参加の社内向け生成AI活用セミナーの募集告知を行います。以下の条件で、参加者を増やすためのキャッチコピーを10個考えてください。

• 対象は若手〜中堅社員
• 各職種で使える基本技術をレクチャーする内容
• 生産性向上と残業時間の削減が目標

DeepSeek-R1とo3-miniの出力結果は？

　指定条件をきちんと反映した出力結果を得られ、日本語としての違和感もない。また、キャッチコピー案の後に、「ポイント」としてどのような点を意識して作成したかの説明も出力されている。こういった情報があると追加指示でテイストを変更したい場合などに重宝する。

DeepSeek-R1の回答

1.「AIで仕事が変わる！部署問わず使える実践スキルで定時退社を日常に」

2.「残業続きにサヨナラ！生成AI活用術で効率3倍↑ 誰でも今日から使えるコツ伝授」

3.「文系も理系も大丈夫！職種別AI活用法で『できない』を『できた！』に変える講座」

4.「明日から使えるAIツール術 〜資料作成から業務分析まで時短の極意を大公開〜」

5.「AI活用でキャリアアップ！生産性トップ5%が実践している仕事の新常識」

6.「『これAIでできるの？』が口癖に 〜時短の達人になる90分集中講義〜」

7.「残業時間30%削減の鍵 〜ChatGPT超活用法×職種別実践ワーク〜」

8.「AIマスターへの近道！明日の業務ですぐ使える『生成AI虎の巻』プレゼント」

9.「働き方改革2.0始動！AI活用で『仕事の質』と『自由時間』を同時獲得」

10.「新人もベテランも必見！AIで仕事のスピードと精度が一気に上がる魔法のレシピ」

ポイントとしては

• 「部署問わず」「職種別」で汎用性を強調
• 「明日から使える」で即効性を表現
• 数値表現で効果を可視化

（中略）

参加者の不安を払拭する「文系でも大丈夫」といった安心感のある文言や、成果をイメージしやすい「30%削減」などの数値表現を散りばめています。若手社員のキャリア意識にも響く「キャリアアップ」というキーワードも効果的に使用しています。

OpneAI o3-miniの回答

1.「AIで仕事革命！基本技術で生産性アップ＆残業削減」

2.「未来の働き方を今ここから！若手・中堅のためのAI活用セミナー」

3.「スマートワーク実現！AI基本技術で効率と時間を手に入れよう」

4.「残業ゼロへの第一歩！実践的AI技術で働き方改革」

5.「あなたのスキルが未来を変える！基本から学ぶAI活用法」

6.「仕事の時短はAIで決まり！基本技術で生産性向上を実現」

7.「若手・中堅必見！シンプルなAI技術で大きな変革を」

8.「現場の効率化をサポート！AI基本技術で働き方に革新を」

9.「基本技術でAIマスター！仕事がもっと楽しく、スマートに」

10.「あなたの可能性を広げる！AI活用セミナーで残業削減＆生産性アップ」

　これを元に追加指示でバリエーションを作成したり、テイストを調整したりすれば問題ないクオリティのものが作れそうだ。