「職場の雰囲気が悪くてやる気がでないんです……」 悩む部下に上司が“気付かせるべき”こと(3/4 ページ)
仕事自体には不満はないけれども、職場の雰囲気が合わないというようなことも、しばしば起こってくる。管理職はどうすればよいか?
コミュニケーションのトラブルは、相互作用の問題であることが多い
一般に、コミュニケーションのトラブルは、一方的にどちらかに問題があるというより、相互作用の問題であることが多い。今回のケースでは、もしかしたら職場の雰囲気、とくにAさんを取り巻く職場の雰囲気が悪くなっているのは事実であるかもしれない。
しかし、その雰囲気の悪さをもたらす要因として、Aさんのミスの多さや注意されたときの態度があるのではないか。そこが改善されれば、Aさんを取り巻く職場の雰囲気の悪さも改善される可能性が高い。
では、そのためにはどうすべきなのか。
まず第1に必要なのは、Aさんにメタ認知の心の構えを植えつけてあげることである。Aさんにメタ認知の姿勢が欠けていることが雰囲気の悪さをもたらしていると思われる。そのことへの気付きを促すような対話をしていくのがよいだろう。
例えば、本人の訴えの中に、「私がミスをするたびに、そのお局が鬼の首でも取ったかのように指摘してくるんですよ。それも毎日何回もですよ。やってられませんよ」というのがあった。自分がミスをするたびに鬼の首でも取ったかのように指摘してくるというのは、確かに気分の良いものではないかもしれない。
でも、毎日何度もそういうことがあるということは、毎日何度も仕事でミスをしているということでもある。いくら注意しても毎日何度もミスをする人物がいたら、どんな気持ちになるだろうか。そのような人物をその都度何度も注意しなければならない立場の人は、どんな気持ちになるだろうか。そういったことに想像力を働かせるように促す必要がある。
職場の雰囲気が悪いと感じる場面を振り返るように導くのである。なぜ雰囲気が悪いと感じるのか。なぜ毎日何度も注意されてしまうのか。注意する人がなぜ感じが悪いのか。つまり、メタ認知を働かせて、自分が注意される場面を振り返る、それに加えて相手の立場に立って毎日何度も注意する側の気持ちに想像力を働かせる。
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