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大人のキッザニア「6年ぶり解禁」で大盛況 楽しいだけじゃない、熱中の裏側(5/5 ページ)

キッザニアは約6年ぶりに「大人のキッザニア」を開催した。いつもと違う大人の空間を取材した。

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 働く個人だけでなく、人手不足に悩む企業にとってもキッザニアは魅力的かもしれない。食品系企業に勤める女性は「直近で転職する予定はないが、今後転職活動を検討する際に『そういえば、キッザニアでこんな経験をしたな』と思い出すことがありそう」と話した。

 大人のキッザニアは16歳以上が対象であることから、高校生や大学生も多く参加していた。就職活動中だという大学生は「企業の説明会に参加しても、なかなか表面的なことしか聞けない。実際の仕事に近いアクティビティを体験することで、イメージしやすくなる」と話す。

 認知拡大を期待して出展する企業も少なくない。例えば、キッザニアは仕事だけでなく社会体験として、消費者側のアクティビティも存在する。2024年12月にリニューアルした大和証券グループのブースはその一つだ。

 株式投資について説明を受けた後、キッゾを使って架空の企業株式を購入・売却するアクティビティで、体験後は「リターン」と「取引明細書」を受け取る。投資未経験だという参加した高校生は「投資は楽しくなさそうなイメージがあった。アクティビティに参加して、ちょっと興味が出た」と話した。

 意外なところではCSR活動の一環として取り組む企業もある。バンダイが手掛ける「おもちゃ工場」では、空カプセルをリサイクルした材料を使ってカプセルトイを作る。2023年3月のオープン時に発表したプレスリリースで同社は「環境に配慮した商品を『つくる』体験により、サステナビリティへの興味・関心を持ってもらう契機となることを願っています」と述べている。

 超満員で熱気に包まれた大人のキッザニアだが、担当者いわく次回は未定。キッザニアはあくまで「子どもが主役」のスタンスを堅持する。

 「おとなのふりかけ」「大人のお子様ランチ」など、子ども向けがメインとされる商品やサービスを大人向けに切り口を変えて大ヒットするケースは数多い。そんな中、大人のキッザニアは、ほとんど装いを変えずにこれだけの大ヒット。さまざまな要因があるとはいえ「仕事」すら「娯楽」になる時代は、ちょっと不思議でもある。

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