2015年7月27日以前の記事
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肉の代わりにゆで卵? 200万個売れた「キユーピーのたまご」、ヒットの殻を破ったワケ(2/5 ページ)

「キユーピーのたまご タレで食べる」シリーズが好調だ。わずか1年で200万個が売れたわけだが、人気の秘密はどこにあるのか。担当者を取材した。

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「味付けゆで卵」の市場規模

 シリーズ発売前の2022〜23年は、鳥インフルエンザの影響で卵の価格が高騰し、国内の卵消費は停滞していた。マヨネーズの主原料である卵を長年扱ってきたキユーピーは、この市場環境下でも成長が見込める方法を模索した。

 「卵市場全体のトレンドは下降傾向だったが、20〜30代の男性を中心にゆで卵を食事に取り入れる割合が高まっていることに着目した」と、同社マーケティング本部の小野寺昭さんは振り返る。

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新発売の坦々風たまごを含むシリーズ3種(筆者撮影)

 キユーピーの調べによると、味付けゆで卵市場は2013年対比で約3倍の約30億円規模に成長している。背景にあるのは、時間をかけて調理するより「買って食べる」という「タイパ重視」の消費行動だ。

 ゆで卵は、湯を沸かして卵をゆで、冷やしてから殻をむいて食べるというシンプルな料理だが、意外に時間と手間がかかる。「市販のゆで卵を試すと手軽さを実感し、リピートにつながっていると考えた」(小野寺さん)

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ゆで卵が2個入っている(筆者撮影)

 また、SNSでは「麻薬卵(香辛料を効かせた味付け卵)」がトレンドになるなど、若年層を中心にゆで卵の食シーンに変化が見えた。同社の「たまご白書2024」によると、20〜30代では朝食だけでなく夕食にもゆで卵を消費する傾向が強く、特に20代男性は、ゆで卵をご飯のおかずとして食べる割合が他の年代より2割以上高かった。

 そこで、キユーピーは時短と若年層の新しい食べ方、2つのニーズを同時に満たしつつ、卵市場の拡大に貢献する商品として「タレで食べる」シリーズの開発に着手した。

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