インタビュー
肉の代わりにゆで卵? 200万個売れた「キユーピーのたまご」、ヒットの殻を破ったワケ(3/5 ページ)
「キユーピーのたまご タレで食べる」シリーズが好調だ。わずか1年で200万個が売れたわけだが、人気の秘密はどこにあるのか。担当者を取材した。
卵と野菜の研究チームを統合
開発では、野菜とゆで卵の最適な保存方法が異なることが課題となった。「野菜は酢などで保存し、ゆで卵は加熱でコントロールする必要があったが、酢が強すぎると卵まで酸っぱくなり、加熱が強すぎると野菜がしおれるので、卵の食感が変わってしまう。このバランス調整に苦心した」と小野寺さんは振り返る。
最適な保存方法を模索するため開発体制を見直し、それまで別々だった野菜と卵の研究チームをひとつに統合した。両チームを組み合わせるプロジェクトは、キユーピーにとって初の試みだったが、知見を合わせて試作を重ねた結果、新たな技術の開発に成功。最適な保存方法の実現につながった。
味つけは約20種類の候補から選定。バリエーションを増やすだけでなく、ゆで卵の食べ方を広げる視点で開発した。「ねぎ塩味は、焼き鳥屋や焼肉屋のタレを参考に、肉の代わりに卵を食べる想定で味付けした」と小野寺さんは語る。
第1弾の発売後も改良は続いた。SNSで多くの消費者がご飯に乗せて食べている様子が見られたため、「より半熟のほうがお米との相性が良い」という声に応え、2024年9月には黄身の半熟感を高めた商品へとリニューアルした。
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