ニュース
浅草・仲見世商店街の「屋根瓦」、戦後80年で初の“全面葺き替え” ピカピカの銅板輝く(2/2 ページ)
浅草・仲見世商店街の「屋根瓦」が戦後初、80年ぶりの全面葺(ふ)き替えを実施。約10カ月の工事がこのほど竣工を迎える。
チタン瓦は従来の土瓦の13分の1の重さでありながら、強度・耐久性に優れ、「いぶし瓦」に近い質感も再現できる。カナメはチタン瓦を、プレス成型屋根としては日本で初めて製品化した企業だ。
美観を損なわずに軽さ・丈夫さを実現するチタン瓦は、耐震性と景観のどちらも求める浅草寺のニーズに合致し、その後も2010年に本堂、2017年に五重塔の屋根が「チタン化」している。
くしくも本堂の葺き替えから1年後、東日本大震災が発生した。本堂の屋根にはかつて約8万9000枚の土瓦が使用されており、その重量は2000トンを超えたという。「もしこれらの瓦が地震で崩れ落ちていたら、大変な大惨事になっていました」(浅草寺 執事長 守山雄順氏)
仲見世商店街の屋根は低く、瓦の落下による危険性も比較的低いことから、これまでと同じ銅板の屋根材を使用することとなった。採用されたカナメの屋根材は、瓦の継ぎ目にあたる「ハゼ」の内部にあえて空間を設けることで、毛細管現象による雨水の侵入を防ぐ構造となっている。また、熱膨張によるゆがみにも耐性があるという。伝統的な資材を使いながら、構造はアップデートした形だ。
長い歴史を持つ浅草寺周辺の景観を守る上で、建築技術の革新も重要な役割を果たしていた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
“インバウン丼”と呼ばないで――1杯1万円超の海鮮丼が話題の豊洲「千客万来」、運営企業が漏らした本音
メディアによる切り取った報道に、現地は困惑しているようだ。
1杯約1万円の“インバウン丼”話題の「千客万来」 現地で見えた、高価でも売れる意外な実情
果たして、実際に“インバウン丼”は注文されているのか、またそれは外国人ばかりなのか――。
「オーバーツーリズムは“悪化”している」 星野リゾート社長が感じた危機感
森岡毅氏「本能に刺さるものを」 ジャングリア沖縄の概要公開、コンセプトに込めた狙いは
「JUNGLIA OKINAWA」の開業予定日が2025年7月25日に決定した。仕掛け人、森岡毅氏の悲願となる同施設。どのようなコンセプトなのか。
インバウンドに沸く渋谷ドンキ 「深夜帯」は一人勝ち状態に?
多額の“外貨”を稼ぎ出す、渋谷ドンキの戦術はいかに。運営会社に取材した。





