インタビュー
猛毒、性、暗闇……サンシャイン水族館の「トガり企画」に潜む生存戦略(2/4 ページ)
高層フロアに位置し、海に隣接もしていない。そんな民営水族館の「生存戦略」とは。
「昼夜逆転」で生き物たちを活性化
海のエリアでは、発光する魚や「反射」「蛍光」といった特性を持つ生き物を展示している。
中でも「ヒカリキンメダイ」は、常設展でも見られる魚。しかし、比較的明るい環境で展示しているため、特徴である発光を見づらかったという。そこで、真夜中のいきもの展では、暗闇というコンセプト通りに極力光を遮った水槽に展示。来場者はのぞき穴から観察して、発光器官の働きを見やすくなるよう工夫した。
「エポーレットシャーク」の水槽にも工夫が隠れている。特別展では、飼育員によるエサやりや解説の時間を設けているが、従来は飼育員が通路に立っていたため、動線の妨げになっていた。そこで、エポーレットシャークの水槽では通路ではなくバックヤード側にスペースを設けて、水槽の奥からエサを出すようにし、スムーズな動線になるようにしたという。
森のエリアには、フクロウや昆虫を展示している。ファミリー層の来場も多く見込むことから、子どもの「憧れの的」(三田さん)であるカブトムシやクワガタもラインアップした。
今回の企画に当たり苦労した点は、夜行性の生き物を開館時間である昼間に活動してもらうこと。スペースの照度を、展示に支障が出ないようにしながら実際の環境に近づけつつ、夜に明るくして昼に暗くする「昼夜逆転」の取り組みなど工夫を重ねた。
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