北海道限定の“生食感”チェルシーが大ヒット 見た目をガラッと変えても、なぜファンを離さなかったのか(1/3 ページ)
道南食品(北海道函館市)が2024年8月に発売した「北海道 生食感チェルシー」が売れている。ロングセラー商品の形を一変させたことに、厳しい意見も上がるのではないか。担当者は当初、そんな懸念も抱いていたというが――。
明治の子会社である道南食品(北海道函館市)の「北海道 生食感チェルシー」(864円、以下:生食感チェルシー)が、担当者も“想定外”というヒットを飛ばしている。
終売した明治のキャンディー「チェルシー」のうちバタースカッチ味を、やわらかい食感の「生キャラメルガナッシュ」としてリニューアルした同商品。同年8月に北海道限定で発売したところ、道内の土産物店で品薄が続く事態となり、現在、増産体制を整えているという。
ロングセラー商品の形を大きく変えて売り出すことに「マイナスの印象を持つ方もいるのでは」――担当者は当初、そんな懸念も抱いていたというが、なぜここまで売れているのか。
「キャラメルの設備」生かす
オリジナルのチェルシーは明治(当時は明治製菓)が1971年に発売。バタースカッチ味・ヨーグルトスカッチ味・コーヒースカッチ味の3種類を展開してきたが、「収益性の悪化」を理由に、2024年3月に終売した。市場環境や顧客ニーズの変化により、ハードキャンディー(砂糖を主原料とした固いキャンディー)の需要が低迷したことが背景にあるという。
しかし、長年親しまれてきたブランドを「なんとか継続したい」という明治の意向を受けて、子会社の道南食品が、新たな形での商品開発に着手することとなった。
道南食品は、明治グループ傘下でキャラメルなどの土産菓子を生産する菓子メーカーだ。2016年に全国販売を終了した「サイコロキャラメル」の生産も担っており、明治がキャラメル事業から撤退した後も、北海道限定商品としてブランドを引き継いだ実績を持つ。
しかし、リニューアル当初は引き合いが多かったサイコロキャラメルも、次第に需要が下火となっていたことが課題だった。同社の山谷真信氏(取締役業務部長)は、「『生産設備が100%稼働している』という状態が少なくなってきており、これを活用して何か作れないか、と模索していたところでした」と、生食感チェルシーの開発背景を説明する。
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