結婚式場は3割が赤字なのに、なぜ「イワイオモテサンドウ」は予約が埋まるのか（4/5 ページ）

　帝国データバンクの最新調査によると、結婚式場の運営企業104社のうち、33.3％が赤字経営（2023年度）だった。「ジミ婚」や「ナシ婚」がトレンドとなるなか、3年以上も売れ続けている結婚式場がある。「ゲスト中心」の設計だというが、どんな式場なのか。

[小林香織，ITmedia]

「結婚式」にとどまらないビジネスも

　イワイは結婚式以外の用途でも利用され、こちらも好評を得ている。平日は企業に貸し出し、宴会や新製品発表会などをプロデュースしている。同事業は「CRAZY CULTURE AGENCY（クレイジーカルチャーエージェンシー）」としてサービス化しており、ウェディング事業で培ったプロデュース力を生かして、満足度の高い体験を提供しているそうだ。

　「当社では、イワイの他に近隣の『BENE-（ベネ）』というイベントスペースも運営していて、2つ合わせて年間約300件の企業イベントを実施しています。そのうち50％以上が紹介かリピートで埋まります」

2024年4月に転職エージェント事業「クレイジーキャリア」を開始（出典：クレイジー社のプレスリリース）

　結婚式にとどまらないビジネスにも進出している。2024年4月には、「CRAZY CAREER（クレイジーキャリア）」を開始。自分らしいキャリアづくりを支援するための転職エージェント事業だ。

　「ウェディング事業では、一人ひとりのお客さまと向き合い、理想をかなえることを強みとしてきました。その力を転職に応用したサービスで、利用者の真の願いをコーチングによって引き出し、一緒にキャリアを設計して最適な企業とのマッチングを行います。すでに内定者も出ています」

今夏には夫婦向けの宿泊サービス「クレイジーアニバーサリー」も始まる

　2024年12月には、クレイジーのサービスを通じて結婚式をあげた夫婦向けの宿泊サービス「CRAZY ANNIVERSARY（クレイジーアニバーサリー）」もスタートさせた。「結婚後のパートナーシップも応援したい」という思いから生まれたサービスで、5年間のパッケージで提供する。

　「年1回、指定の施設で1泊2日の宿泊を提供します。専用アプリを使用した『ふうふの1年を振り返るセッション』も付属します。提供開始は今年7月からで、すでに100組弱の予約をいただいています」