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上司「今度の歓迎会、参加必須だぞ」←これってパワハラに当たりますか? 弁護士が解説(2/3 ページ)

職場で起こりがちなケースを基に、ハラスメント問題に詳しい佐藤みのり弁護士が詳しく解説します。

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パワハラと判断される可能性が高いケース

 一方現実には、歓迎会を含め、会社の懇親会の多くは「労働時間」に当たらない、任意参加の会として扱われているように思います。業務遂行上、必要不可欠であると認められるには一定のハードルがあり、あからさまな強制が行われるケースばかりでもないと考えられるからです。

 会社としては任意参加の会として位置付けているものの、上司が個人的に「必ず参加してほしい」などと言ってまわり、多くの従業員を誘ったり、不文律として「全員参加するもの」とされていて断りにくい雰囲気があったりすることが多いのではないでしょうか。

 課長の「全員で歓迎したいから、夜の歓迎会には必ず参加するように」との発言が業務命令としてのものであれ、任意参加の歓迎会への勧誘であれ、この一言のみをもってパワハラということはできません。

 パワハラとは「職場において行われる(1)優越的な関係を背景とした言動であって、(2)業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、(3)労働者の就業環境が害されるものであり、(1)から(3)の全ての要素を満たすもの」とされています。

 そして、(2)業務上の必要性や相当性については、問題となった言動の目的、経緯、状況、態様、頻度、継続性、言われた側の従業員の属性や心身の状況、行為者の関係性などを総合的に考慮して判断されます。

 例えば、

  • 歓迎会への参加を求める際、威圧的に近くの机をたたきながら、大声で怒鳴りつける
  • 部下が参加できない旨、伝えているにもかかわらず、不参加の理由をしつこく尋ね、不参加の場合には不当な不利益をちらつかせる
  • 不参加を伝えた部下に対して、「協調性に欠けるクズだ」など人格を否定する言動をする

 上記のケースでは、相当性に欠けるものとして違法なパワハラと判断される可能性が高いです。

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