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「営業職は休めない」は本当か?――サントリーが「男性育休100%」達成で得た、“思わぬ効果”(3/3 ページ)
2024年、男性社員の育休取得率100%を達成したサントリーHD。飲料メーカーの酒類営業といえば「多忙」「体育会系」といったイメージが強いが、同社ではこうした職種にも「育休取得を広げていける」という手応えを感じているという。
“100%達成”の意味とは
サントリーHDは男性育休取得率100%を達成した。しかし、課題となっているのが取得期間の短さだ。2024年に育休を取得した男性社員のうち、約8割は「5日間」「1週間」といった短期取得にとどまっている。それでも、「100%」という数値には意味があると高木氏は考えている。
「100%にすること自体が目的ではありません。ただ、“育休を取るのは当たり前”という空気が、社内に浸透したのは重要だと思います」(高木氏)
「もう少し長く取れば良かった」といった声も多く聞かれるようになっていることから、「1カ月や3カ月といった、より長期間の申請は増えていくと思います」と高木氏は話す。
「育休をいつ取るの?」という会話が当たり前になってきた第1段階を経て、「長期間取得する社員を、どう工夫して支えていくか」という第2段階へ――。そのために、モデルケースの蓄積と社内展開が、より重要な次のステップになると高木氏は考えている。
「他の部署での取得事例を、本人や上司に伝えてフォローアップする取り組みは、しばらく徹底したいと考えています。引き継ぎ作業で可視化された、『無駄な仕事』を簡素化したことで、他の人も休みを取りやすくなったという声もありました。こうした“副次的な効果”は、社内にしっかり共有していきたいです」(高木氏)
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