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Zoom商談で「顔出したくないです」と部下 就業規則で“義務化”できる? 弁護士が解説(2/4 ページ)

職場で起こりがちなケースを基に、ハラスメント問題に詳しい佐藤みのり弁護士が詳しく解説します。

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「不快に感じるもの全て」がハラスメントになるわけではない

 しかしリモハラに限らず、パワハラなど他のハラスメントでもいえることですが、労働者が不快に感じるあらゆる言動が「違法なハラスメント」になるわけではありません。

 会社側の指示に業務上の必要性が認められ、社会通念上相当な範囲であれば「違法なハラスメント」ではなく、会社の裁量として問題なく認められます。

 ご質問のケースではクライアントとのオンラインMTGにおける「顔出し」が問題となっています。

 一般に表情はコミュニケーションの重要な要素ですから、リモートワークの場合も相手の顔を見ながら議論する必要性は認められるといえるでしょう。

 事務的な連絡のみであれば、音声のみでやりとりしたり、メールなどで済ませたりすることで足りる可能性もありますが、とりわけ社外のクライアントとのMTGであれば、顔を見ながら話す業務上の必要性は高いと考えられます。

 また業務時間中に、顔や服装を他人に見られることは通常受け入れるべきことなので、社外のクライアントのMTGにおいてカメラオンを求めることは、社会通念上、相当な範囲の指示であると考えられます。

 従ってご質問のケースで、上司がカメラオンを求めることは適切な指示であり違法なリモハラにはならず、従業員は指示に従わなければならないと考えられます。

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