コラム
Zoom商談で「顔出したくないです」と部下 就業規則で“義務化”できる? 弁護士が解説(2/4 ページ)
職場で起こりがちなケースを基に、ハラスメント問題に詳しい佐藤みのり弁護士が詳しく解説します。
「不快に感じるもの全て」がハラスメントになるわけではない
しかしリモハラに限らず、パワハラなど他のハラスメントでもいえることですが、労働者が不快に感じるあらゆる言動が「違法なハラスメント」になるわけではありません。
会社側の指示に業務上の必要性が認められ、社会通念上相当な範囲であれば「違法なハラスメント」ではなく、会社の裁量として問題なく認められます。
ご質問のケースではクライアントとのオンラインMTGにおける「顔出し」が問題となっています。
一般に表情はコミュニケーションの重要な要素ですから、リモートワークの場合も相手の顔を見ながら議論する必要性は認められるといえるでしょう。
事務的な連絡のみであれば、音声のみでやりとりしたり、メールなどで済ませたりすることで足りる可能性もありますが、とりわけ社外のクライアントとのMTGであれば、顔を見ながら話す業務上の必要性は高いと考えられます。
また業務時間中に、顔や服装を他人に見られることは通常受け入れるべきことなので、社外のクライアントのMTGにおいてカメラオンを求めることは、社会通念上、相当な範囲の指示であると考えられます。
従ってご質問のケースで、上司がカメラオンを求めることは適切な指示であり違法なリモハラにはならず、従業員は指示に従わなければならないと考えられます。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
場末のスナックはどうやって稼いでいるのか?
集客や収益が安定したビジネスがしたい――そう考える人はスナック経営が参考になるかもしれない。
ナイキ「オワコン化」の足音 株価急落、新興シューズメーカーが影
ナイキの不調には複数の要因が絡んでいるようだ。
書類でよく見る「シヤチハタ不可」、シヤチハタ社長に「実際どう思ってますか?」と聞いたら意外すぎる答えが返ってきた
ハンコで国内トップメーカーのシヤチハタが、2025年に創業100周年を迎える。気になっていた質問をぶつけてみた。インタビュー後編。
部下に「仕事は終わってないですが定時なので帰ります」と言われたら、どう答える?
企業にとって残業しない・させない文化の定着は不可欠だ。しかし――。
部下が相談する気をなくす、上司の無神経な「たった一言」
部下が報連相しようとしたときの上司の何気ない「ある一言」が、部下の心を萎縮させているのだ。