シヤチハタ、中小向け「SDXプラットフォーム」始動 業務の見える化でDXを加速
シヤチハタは、バックオフィスDXツール「Shachihata Cloud」とデータ連携・可視化サービス「Smartec Vision」を組み合わせたソリューション「SDXプラットフォーム」の第1弾として「帳票管理」の提供を開始した
大手ハンコメーカーのシヤチハタは、バックオフィスDXツール「Shachihata Cloud」とデータ連携・可視化サービス「Smartec Vision」を組み合わせたソリューション「SDXプラットフォーム」の第1弾として「帳票管理」の提供を開始した。単なるDX推進にとどまらず、業務の可視化と情報の一元管理を通じ、企業の持続的な成長を支える基盤を構築する。
DXはもはや「効率化」ではなく「経営戦略」
現在、日本企業はDX推進において「IT人材の不足」「レガシーシステムのブラックボックス化」「データ活用の遅れ」などの課題を抱えている。特に中小企業では、導入コストやノウハウ不足が障壁となり、思うようにデジタル化を進められない状況だ。
シヤチハタは、2020年に契約・承認プロセスのデジタル化を推進するバックオフィスツールとしてShachihata Cloudをローンチした。2024年には企業のデータ活用を支援し、意思決定の高度化や生産性向上を目的としたSmartec Visionをリリースしている。
SDXプラットフォームでは、この2つの強みを融合。企業の業務に合わせた柔軟なカスタマイズや、データ連携・可視化・業務プロセスの一元管理を実現する。
今回の帳票管理では、業務プロセスごとのデータを一元管理し、用途に応じたデータの可視化や帳票出力を可能にした。一元管理によって、表計算ソフトでの手作業による入力や集計の負担を減らす。
請求業務では、発行から送付データの管理、受領状況の確認までを一括で処理。取引先が請求書をWebから無料でダウンロードできる仕組みを構築した。担当者は、ミスの低減に加え、確認作業に割ける時間が増加する。
領収書、納品書、明細書などの各種帳票についても、テンプレート作成から一括発行まで、データの一元管理までをサポート。郵送コストや人件費を削減できる。初期導入費用は11万円からで、顧客の業務フローに合わせたカスタマイズが可能なセミオーダー方式で提供する。
ハンコのイメージが強いシヤチハタは、時代の変化に即した製品やサービスを提供し続けてきた。同社は2025年に創業100周年を迎え、デジタル事業開始から30周年という節目を迎える。次の100年に向けた新たな軸として、SDXプラットフォームの展開に注力する構えだ。
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