コラム
Switch2登場で「レガシーIP戦略」はどう変わる? 任天堂IPのマーケ戦略の裏側(1/6 ページ)
任天堂のIP戦略をマーケティングの視点から深掘りしてみたところ、単なる過去作の移植やリメイクにとどまらない、緻密な戦略が見えてきた。
著者プロフィール:金森努(かなもり・つとむ)
有限会社金森マーケティング事務所 マーケティングコンサルタント・講師
金沢工業大学KIT虎ノ門大学院、グロービス経営大学院大学の客員准教授を歴任。
2005年より青山学院大学経済学部非常勤講師。
ゲーム業界のみならず、エンターテインメント業界全体が固唾(かたず)を飲んで見守る、任天堂の次世代ゲーム機、通称「Switch2」の動向。現行機Nintendo Switchが驚異的な成功を収めた後だけに、その後継機がどのような姿で現れ、そして任天堂がどのような戦略を描いているのか、注目が集まるのは当然のことだ。
特に興味深いのは、Switch2の登場に合わせて、任天堂が過去の膨大なIP(知的財産)資産をどのように活用しようとしているかという点である。報道によれば、任天堂は本体だけでなく、関連会社のリソースまで動員し、過去タイトルの動作検証に力を入れているという。すでに「リズム天国」や「トモダチコレクション」といった、DSやWii U世代で人気を博したIPの復活がうわさされており、ファンの期待は高まる一方だ。
この任天堂の「レガシーIP戦略」とも呼べる動きを、マーケティングの視点から深掘りしてみたところ、単なる過去作の移植やリメイクにとどまらない、任天堂ならではの緻密な戦略が見えてきた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
場末のスナックはどうやって稼いでいるのか?
集客や収益が安定したビジネスがしたい――そう考える人はスナック経営が参考になるかもしれない。
ナイキ「オワコン化」の足音 株価急落、新興シューズメーカーが影
ナイキの不調には複数の要因が絡んでいるようだ。
書類でよく見る「シヤチハタ不可」、シヤチハタ社長に「実際どう思ってますか?」と聞いたら意外すぎる答えが返ってきた
ハンコで国内トップメーカーのシヤチハタが、2025年に創業100周年を迎える。気になっていた質問をぶつけてみた。インタビュー後編。
部下に「仕事は終わってないですが定時なので帰ります」と言われたら、どう答える?
企業にとって残業しない・させない文化の定着は不可欠だ。しかし――。
部下が相談する気をなくす、上司の無神経な「たった一言」
部下が報連相しようとしたときの上司の何気ない「ある一言」が、部下の心を萎縮させているのだ。
「たまにはユニクロ以外も着ようかな」←その店もユニクロ系列です 高級ブランドも抱えるファストリの戦略
「ユニクロ」や「GU」で知られるファーストリテイリング。実は中〜高価格帯ファッションブランドも傘下に抱えていることもご存じだろうか。
