「サブウェイ」「宅食」注力で大胆に“チェンジ” ワタミが進める居酒屋→健康シフト:長浜淳之介のトレンドアンテナ(2/5 ページ)
かつて総合居酒屋の雄として知られ、一時期はブラック企業として悪い意味で話題になったワタミ。近年ではそうしたイメージを吹き飛ばすような劇的な戦略シフトが進んでいる。
「ワタミのサブウェイ」具体的にはどう変わった?
さて、今回サブウェイがディナー対策として提案したサンドイッチの新商品が「牛カルビチーズ」(990円)だ。「焼肉の和民」のノウハウを詰め込んでおり、肉にかかった濃いめのタレの味が、ビールなどの酒と合いそうだ。
もう1品「シーフードグラタン」(690円)は、居酒屋「和民」とのコラボメニュー。人気商品であるカニマヨ入りの「和民サラダ」をアレンジして、海老も入ったシーフードグラタンをサンドイッチにした。こちらは女性をターゲットに開発している。
“野菜のサブウェイ”をアピールする商品としては、パンを使わず、具材をワタミファームで採れたフレッシュな有機栽培のレタスで包んだサンドイッチのサラダラップを2種類、新提案する。
商品内容は「チリチキン」(620円)と「てり焼きチキン」(670円)。「モスバーガー」には「菜摘」という、バンズを使わずレタスでパティを包む商品があるが、サブウェイではよりヘルシーにチキンを使ってきた。すでにサラダラップへの反響は大きく、さらなる進化を予感させる商品だ。
サラダの価格も見直している。これまで800円以上していた内容のサラダをリブランディングし、日替わりサラダとして680円に値下げ。もっと気軽に食べてもらえるように改善した。野菜の栽培法では安全・安心・おいしさを担保する“サブウェイ基準”を策定し、使う農薬の量などを細かく定めている。基準に沿って約50社と契約し、「生産者の顔が見える野菜」の量産を図っている。
コーヒーでは、半年前にサブウェイ本部と契約してから試作と試飲を繰り返し、ようやく納得が行く商品ができたとのこと。「皆さまの意見を聞くと、コーヒーがまずいと多くの人から指摘された。それなら、ファストフードで一番おいしいコーヒーを作ろうとプロジェクトチームを組んだ」と、渡邉氏はコーヒーの改良に、並々ならぬ決意で臨んでいた。渡邉氏自身、約1000杯を試飲したという。
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