コラム
防衛産業はなぜ“儲かる”ようになったのか? 重工3社に見る変化の本質(6/7 ページ)
防衛関連株が上昇するなか、かつて「もうからない」とされた日本の防衛産業が再評価されつつある。その背景に何があるのか。
市場が期待感を寄せていることは事実
IHI、三菱重工、川崎重工といった重工3社の株価は、前述のような防衛費の拡大に加えて、日本政府が過去の不誠実な対応を反省し、防衛産業の衰退を防ぐため、本腰を入れて「防衛産業を後押しする」と明言し、利益率の改善に踏み切ったことが大きく影響しています。
こうした変化に、市場が期待感を寄せていることは事実ですが、一方で“裏切り”にも敏感に反応する可能性は大いにあります。
かつて富士重工への約束を守らず、訴訟を起こされたケースのように、防衛産業を後押しするような方針の変更や方針を変更したり、取り下げたり、企業に過度なリスクを押しつけたりするようなことがあれば、たちまち信頼は失われ、これまで伸びてきた防衛関連の重工3社の株価にも大きな影響を与えるでしょう。
市場そのものが「防衛省とはビジネスをするべきではない」と見なし、日本の防衛産業が衰退することはもちろん、万が一国が民間企業に対して不誠実な態度を取れば、日本の株式市場にいる多くの外国人投資家も、投資資金の引き上げを行いかねません。
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