インタビュー
なぜ「ボンタンアメ」は100年も変わらない? 1日60万粒も売れる、“たまに思い出す”チカラ(3/4 ページ)
昭和100年に100周年を迎えるボンタンアメ。派手な宣伝より“ときどき、ずっと”を信条に、味も製法も大きく変えず、懐かしさと安心感で世代を超えて愛され続けている。
年間500万個の販売を支える製造の工夫
セイカ食品は、原料価格が高騰する中でも品質を維持するため、2002年から製造現場の改善活動に取り組んでいる。これまでに累計1万件以上の改善を実施し、原料・資材の廃棄ロス削減や生産性向上に努めてきた。
レイアウトや工程を見直して作業員の負担を軽減するなど、小さな工夫を積み重ねている。こうした地道な活動が、年間約500万個(14粒入り)という販売数を実現している。
四季を通じた品質管理のノウハウは企業秘密としながらも、温度・湿度に敏感なオブラートの製造など、独自技術を守りながら効率化を進める難しさにも取り組んでいる。
原料高騰、市場環境の変化など、製菓業界を取り巻く環境は厳しさを増す中、ボンタンアメの製法や箱のデザインは発売時とほぼ変わっていない。独特の食感がある生地は、今も従業員が手触りで確認している。
伝統的な製法には熟練の技術が必要とされる場合も多く、将来にわたってその技術をどのように継承していくかは課題といえる。また、不確実性の高い世の中で、原材料の安定的な調達や価格変動などのリスクも製造を持続していく上での潜在的な課題になる可能性がある。
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