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NECの“眠らない要塞”に潜入 サイバーセキュリティ事業を強化したワケ(3/5 ページ)

NECは、「.JP(日本のサイバー空間)を守る」をスローガンに、日本のデジタルインフラの安全性を確保するため、サイバーセキュリティ事業を強化する。

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相次ぐサイバー攻撃

 国内ではこの数年、地政学リスクの高まりもあって、企業や政府機関に対する攻撃が増加している。民間では2024年末以降、日本航空やNTTドコモなどで、システム障害が多発。政府も「重要インフラ」への攻撃として危機感を強めている。

 2024年6月には、KADOKAWAがランサムウエアによるサイバー攻撃を受けて取引先や社内の個人情報まで漏洩し、業績に影響する事件が起きた。サイバー攻撃の件数は10年前と比べて20倍に増えているという試算もあり、官民では効果的な対策作りが急務となっている。

 国際的にも2017年8月にデンマークの大手海運会社が攻撃を受けて積み荷の管理ができなくなり、多額の損害が起きた。2019年には米国南部のニューオーリーンズ市がランサムウエアの攻撃を受けて行政がストップ。非常事態宣言を出す事態になった。2020年9月、ドイツのデュッセルドルフ大学病院は、30台のサーバが暗号化されるサイバー攻撃を受けている。

「能動的サイバー防御」

 政府も2024年あたりからサイバー攻撃の重大性を認識し、2025年2月にサイバー攻撃を未然に防ぐ「能動的サイバー防御」の導入に向けた法案を閣議決定した。法案が成立すれば日本のサイバーセキュリティ政策の転換点になると考えられている。NECはこの法案への対応を見据え、サイバーセキュリティ事業の拡大を目指す。

 この法案は、サイバー攻撃に先手を打とうと、平時からサイバー空間の情報を綿密に収集、分析して、攻撃の予兆をとらえて、相手側のサーバに入り込んで攻撃を無害化するものだ。法制化を急いでいる。法案は4月8日には衆議院を通過しており、今国会での成立を目指している。

 成立すれば、民間企業は基幹インフラが攻撃を受けたときは、予兆があっても、海外で起こったものも含めて「インシデント」として法律で報告義務が課せられる。いままではこうした義務はなかった。今後はこうした報告などをもとに、官民が一体となってサイバー攻撃をしっかりと監視しようとしている。

 まさにサイバー攻撃を受ける前の段階で、予兆を察知して、相手側のサーバに侵入して攻撃できないようにする方法が「能動的サイバー防御」と位置付けられている。NEC中谷昇氏(執行役Corporate EVP兼CSO兼サイバーセキュリティ部門長兼NECセキュリティ社長)は「これは、サイバーセキュリティに関して新たなステージに入っており、われわれとしてはそこをサポートするのは新しい事業となると認識しています」と指摘した。


スローガンは「.JP(日本のサイバー空間)を守る」(NEC サイバーセキュリティ事業説明会に出席した森田隆之社長(左)と中谷昇CSO)

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