「dアカウントだけは勘弁」 ドコモによる住信SBIネット銀行買収に広がる不安の声(2/5 ページ)
住信SBIネット銀行がdアカウントとの連携を義務化したことで、ユーザーから「連携なら解約する」との強い反発が起きている。背景にある拒否感の理由と波紋の広がりを探る。
dアカウント問題とUI/UX
買収発表直後から相次いだのは、ドコモのアカウント管理システムへの強い不信感だった。
「ログインできない、パスワードがリセットできない、あのdアカウントの悪夢がまた」「楽天銀行みたいにゴチャゴチャした画面になるのは勘弁」――SNSのXには、ドコモのシステムへの懸念が相次いだ。
dアカウントは、ドコモユーザーの間では「ログインしようとすると無限ループに陥る」「パスワードを忘れるとリセットが異常に困難」「二段階認証のSMSが届かない」など、数々のトラブルで知られている。金融サービスという重要な場面で、このような認証システムと連携することへの不安は大きい。
実際、5月29日の会見でもこの問題は避けて通れなかった。記者から「dアカウントはログインができなかったり、使い勝手が悪い」と指摘されると、NTTドコモの前田義晃社長は「現在もかなり多くの指摘をいただいており、改善を進めている」と認めた上で、「これがボトルネックにならないように、しっかり取り組む」と約束した。
住信SBIネット銀行のアプリは、ネット銀行の中でも使いやすさで定評がある。シンプルで直感的な操作性、高速な動作、洗練されたデザインが特徴だ。前田社長も「住信SBIネット銀行のUI/UXは素晴らしい。その良さをわれわれのサービスに反映させていく」と評価する。
しかし、ドコモの9141万という巨大な顧客基盤に合わせてサービスを「最適化」することで、現在の使い勝手が損なわれるのではないか――そんな不安が利用者の間で広がっているわけだ。
さらに、ユーザーが住信SBIネット銀行を選んだ理由として「大手キャリアと無関係の独立系だから」という声も少なくない。ドコモ傘下になることで、その独立性が失われることへの抵抗感は根強い。
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