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「GIGAスクール構想」立ち上げで陣頭指揮 文科省「文教政策トップ」に聞く:日本のデジタル教育を止めるな(3/4 ページ)

教育デジタル化の大きな転換点となった「GIGAスクール構想」はなぜ必要だったのか。審議官としてGIGAスクール構想立ち上げの陣頭指揮をとり、現在は文部科学審議官である矢野和彦氏に、MM総研代表の関口和一氏がインタビューで迫る。

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本格的な事業化検討に進んだきっかけ

――本格的な事業化検討に進んだきっかけは何でしたか?

 日本の学校は教師が支えてきたと思っています。そして日本の子どもたちが世界トップレベルにいるということは、先ほど紹介したPISA調査でもIEAのTIMMS調査(注3)でも結果が出ていましたので、われわれにも教師のレベルや指導方法、授業の環境に自負があったわけです。

 しかし食わず嫌いは良くないということで、デジタル教科書や教材の活用状況を実地で拝見すると考えが大きく変わりました。うまく活用すれば子どもたちの理解は間違いなく進むと感じた。これなら予算をつけてでもやるべきだと思ったわけです。

 それでも授業の後、3人の子どもたちに「紙の方がデジタルよりいいんじゃない?」って尋ねてみたんです。(心の中ではこれまでと同じように)紙の方がいいって言ってほしかったんです(笑)。

 紙でなくてもいいと答えたのは2人でした。最後の1人は紙もあった方がいいと答えた。なぜなの? と聞くと「目が悪くなるような気がする(注4)」と。デジタルネイティブ世代の感覚を認めざるを得なかったわけですね、私自身も。

編集(注3)IEA(国際教育到達度評価学会)が進めているTIMSS(Trends in International Mathematics and Science Study)と呼ばれる算数・数学及び理科の到達度に関する国際的な調査。PISAと比較し数学分野の「学力」を測る調査として位置付けられる。

編集(注4)電子媒体であるか紙媒体であるかを問わず、長時間、近いところを見る作業には注意することが重要、との文科省の調査結果が出ている。

――GIGAスクール構想を立ち上げていくとき、文部科学省や政府はどのような雰囲気でしたか?

 当時、GIGAスクール構想の検討は小規模に4〜5人で推進していました。省内ではまだ積極的に進めようという雰囲気ではありませんでしたが、与党や政府からのプレッシャーはものすごく高いものを感じていました。

 予算面では消費税が上がる年だったので、消費増税の反動対策で、(政府は)補正を絶対やるだろうと見ていました。その次の年も東京オリンピックが終わる年だったので、反動対策の補正も絶対あるだろうと。つまり2年はかなりの大型補正があるのではないかと読み、当時審議官だった私は、局長と相談し「今年勝負しましょうか」と提言しました。

 また、経済産業省も(デジタル教育産業の活性化の観点からも)一生懸命旗を振っておられて、さまざまな支援がかなりあったという背景はありましたね。

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