スイート1泊300万円の衝撃 外資だらけの激戦区・京都で「帝国ホテル」は選ばれるのか(3/4 ページ)
2026年春、帝国ホテルでは30年ぶり、4拠点目となる「帝国ホテル 京都」を祇園に開業する。国登録有形文化財の劇場を一部保存、活用した全55室のスモールラグジュアリーホテルとなる。外資系ホテルの開業が相次ぐ京都で、どのようにお客を呼び込むのか。
最上位のスイートは1泊300万円
最上位タイプの「インペリアルスイート」は、北・東の二面に広がるテラスからの圧倒的な眺望が特徴だ。価格は、1泊1室300万円を予定している(宿泊時期により変動)。
内装デザインを担当した榊田氏は、「昔から変わらない普遍的な景色と都市をどちらも鑑賞できるのが、同部屋ならではのぜいたくな体験だと思う」とコメント。同スイートでは、鐘塔(教会や寺院で鐘を収めるために独立して建てられた塔)での特別な体験も提供予定だ。
「内装の詳細はまだお伝えできないのですが、テラスは小さなお子さんが駆け回れるほどの広さがあります。特別な体験はまだ検討中ですが、例えば、鐘塔でお休みになりたいというお客さまがいれば、布団を敷いて眠ることもできるのかなと。お客さまの希望をかなえられるようなご提案をしたいと考えています」(坂田氏)
1泊300万円の価格設定について風間社長は、「他ホテルの状況やクオリティーを比較して、競争力のある価格として設定している。それ以外の部屋の宿泊価格は検討中で、外資系ホテルを意識した結果、高価格帯にならざるを得ないだろう」と説明。
さらに、「外資系ホテルとは絶対に一線を引きたい」との考えも示した。
「内装のデザインにあたり、外資系ホテルと同じようなホテルじゃないかと言われることは絶対避けたいと考えていました。新素材研究所さんから『古いものが新しい』というコンセプトに基づく提案をいただき、伝統的な価値を継承しながら新たな価値の創出を目指す本計画にぴったりだと思いました」(風間社長)
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