「心理的安全性」で満足するな! 本当に“機能する”チームを作るための条件とは(1/3 ページ)
働く中で一度は聞いたことがある「心理的安全性」という言葉。グッドパッチが「組織デザイン」の観点から解説します。
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本記事はグッドパッチブログ「デザイナーが考える『組織デザイン』(1):『心理的安全性』って本当に必要か?」の転載です。
こんにちは。グッドパッチでデザインストラテジスト兼ワークショップデザイナーをしている田中拓也です。「ワークショップデザイナー」というと珍しがられるかもしれませんが、グッドパッチでは、ユーザー視点のモノづくりを学ぶワークショップのほか、組織開発を目的としたワークショップなども提供しています。
仕事上、さまざまな企業の組織課題を目にするわけですが、突き詰めると悩むポイント(本質)は似ていることが多く、解決の糸口も共通するものになってきます。そこで「組織デザイン」のポイントを解説していくことにしました。
今回は「心理的安全性」という言葉について取り上げます。皆さんも働く中で一度は聞いたことがあるはず。しかし、私は当初この言葉が好きになれませんでした。
心理的安全性という名の「呪縛」
グッドパッチに限らないことですが、プロジェクトベースで仕事が進む企業は、組織変更などに伴う人の入れ替わりによる変化が激しいです。成長著しいスタートアップやベンチャー企業も似たところがあるでしょう。ある案件が終わったら、また新しい人たちと顔を合わせて案件が始まる。私自身、これまで慌ただしい環境に慣れず、戸惑うことも少なくありませんでした。
「はじめまして!よろしくお願いします!」から、簡単なオンボーディングやチームメンバーの自己紹介をして、明日からすぐに仕事が始まるということもよくある話。そのときの私の感情たるや。どう頼っていいんだろう……頼らずやったほうがいいんだろうか? 不安でいっぱい+結果を出さなきゃ、と頑張って行動するが空回りするなんてしょっちゅう。
「活気のある組織を作るには『心理的安全性』が大切」なんて言葉をよく聞くけれど、どうやって作ればいいんだ、結局は都合のいい言葉だけじゃないか──。当時の私は、心理的安全性という言葉に期待して、勝手に失望する。そんな「呪縛」にかかっていたように思います。
特に最近では、コロナ禍でリモートワーク形態を採るケースが増え、メンバー間でコミュニケーションが取りにくくなり、心理的安全性をはじめとした、チームや組織の課題に目を向ける企業が増えています。
こうした問題意識もあってか「チームビルディング」にスポットライトが当たることもありますが、個々人の趣味や好きなこと/嫌なことなどを共有して終わってしまった、みたいな話を聞くことも。これでは大した効果は上がりません。
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