インタビュー
なぜ福岡の郊外に有名企業が集まるのか? 九州発のスーパー「トライアル」が仕掛ける「横のDX」(3/6 ページ)
福岡郊外の宮若市に、日本有数の企業約50社が集結。九州発ディスカウントストア「トライアルHD」が推進する「横のDX」で、業界の垣根を越えた連携とイノベーション創出を目指す取り組みを紹介する。
廃校を活用した「共創」の場
ムスブ宮若の施設は3つの拠点に分かれており、リテールAI開発やDXを推進する「MUSUBU AI」、スマートショッピングカート「Skip Cart」などIoTデバイスの開発を担う「トライアルIoTラボ」、ショッパーマーケティング(購買者の行動分析)の最適化を目指す「MEDIA BASE」がある。
取り組みがスタートしてから4年で、48社・305人が参加する規模に成長している。(2025年5月時点)
中核となるのは、「MUSUBU AI」だ。地元の小学校を改装した施設には、参加企業の部屋がそれぞれ設置されており、各担当者がリテールAIやDXに関する研究開発や人材育成に取り組んでいる。
各施設は、横の連携を重視した設計になっており、異なる企業の担当者が情報交換できる環境を整えている。
大手メーカーなど、さまざまな業界の企業が垣根を超えて、同じ施設で一緒に活動している。また、毎月1回開かれる「宮若WEEK」では、ワークショップを通じて、トライアルの顧客データを活用しながら、商品を開発したり、販促の効果を検証したりしている。
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