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なぜ福岡の郊外に有名企業が集まるのか? 九州発のスーパー「トライアル」が仕掛ける「横のDX」(4/6 ページ)

福岡郊外の宮若市に、日本有数の企業約50社が集結。九州発ディスカウントストア「トライアルHD」が推進する「横のDX」で、業界の垣根を越えた連携とイノベーション創出を目指す取り組みを紹介する。

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福岡エリアのトライアル店舗で実験と効果検証

 参加企業の間では、具体的な成果も出てきている。例えば、2021年11月からこの取り組みに参加しているサントリーは、少しずつ活動の範囲を広げてきた。2024年11月には「福岡エリアプロジェクト」として、トライアルHDの福岡エリアの店舗で、エリアマーケティングやリテールメディアを活用したプロモーションを実施した。

 福岡のエリアタレントを起用したCMやテレビ番組、イベントの実施のほか、トライアルHDのリテールテック技術を活用し、店頭でのオリジナルサイネージ動画やレジカートへの広告・クーポン配信を行った。

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サントリーが実施した「福岡エリアプロジェクト」(画像はサントリー提供、以下同)

 その結果、対象商品(サントリー生ビール)の売り上げが前年比の約3倍に伸びた。プロモーション終了後も販売は高水準を維持しているという。

 特に大きな効果があったのは、スマートショッピングカート「Skip Cart」に付いたタブレット端末に表示した広告だ。新規顧客の獲得率は42.1%と高く、このプロジェクトで行った複数の販促施策の中で、最も良い結果を出した。

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売り上げもアップ
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カート広告が効果的だった

 「レジカートは、買い物の直前に使われるメディアなので、新規顧客の獲得にとても効果があった」と、サントリー広域営業本部の山本宰慶氏は手応えを語る。また、広告だけでなくクーポンも組み合わせた施策では、購入率と客単価の両方が上がることが分かり、リテールメディアの効果的な使い方が見えてきたという。

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